ヒュンダイは、フィンランド国内の高速グラベルで行ってきたi20クーペWRCのテストが完了したことを伝えた。ドライバーを務めたのはティエリー・ヌービルとオィット・タナックがドライバーを務めた。
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止のために取られてきたWRCのテスト禁止措置が解除になり、6月から活動を再開させたチームは、このテストで通常のペースをつかんだとしている。テストは先週に始まったが、ヌービルが走行中に転倒するアクシデントが発生し、中断。ヒュンダイ・モータースポーツのメカニック陣がアルゼナウのファクトリーで修理にあたり、予定されていたテストメニューを続行した。
再開後はトラブルなくテストを遂行したヌービルは、徐々にペースを上げるなどステイホーム期間後に感覚を取り戻す貴重な機会となったようだ。折りしも16日には32回目の誕生日を迎えており、WRカーをドライブするエキサイティングな経験が最高のプレゼントとなった。一方、タナックとコ・ドライバーのマルティン・ヤルベオヤも、3月のラリーメキシコ以来、初めてステアリングを握るマシンで2日間を走り込んだ。
パンデミックによる制限が緩和され始めて以降、徐々にWRCやカスタマーレーシングの運営に戻り始めたヒュンダイ。クルーラインナップを早々に発表していたWRCフィンランドは残念ながら開催キャンセルとなってしまったが、自分たちの陣営では「ルーティンに戻りつつある」ことを感じているといい、今後の進捗にも期待を寄せている。
チーム代表のアンドレア・アダモは「今週、フィンランドでテストをすることは、我々にとって重要なことだった。ティエリーのアクシデントに迅速に対応し、我々は準備万端であるという明確なメッセージを送り、前進していくためにも」と語る。
「今年、フィンランドに参戦できないのは残念だが、管理がよくチャレンジングな道もあるので、テストを行うには最高の場所。おかげで2クルーが参加することができて、自信を高め、またWRカーのスピードに慣れる機会にもなった。マシンの開発作業も行うことができたよ。特に、この路面でのパフォーマンス向上に力を入れた。我々はこの課題に真っ正面から向き合い、今後の前進や公認に向けても前進を続けている。3日間をトラブルフリーで進められたことは、我々のスタッフやサプライヤーにとってもメリットとなるし、何よりも長らく辛抱してきた末に、現実世界のラリー活動に戻れたことは本当によかった」
ヌービルは「先週、中断したところからすぐに始めることができた。チーム全員の努力と対応のおかげだ」と感謝を伝えた。
「i20クーペWRCのシートに戻れて、本当に楽しかった。厳しくも楽しいここの道で、とても生産的な日々を過ごすことができた。いろいろな意味で、パーフェクトな誕生日プレゼントになったよ! 通常の作業に戻りつつあるし、大好きなことをやっている」
タナックも「先月はi20 R5をドライブするチャンスに恵まれたが、走るのが待ち遠しかった。またi20クーペWRCとの仕事に戻れて、最高の気分だ」と活動再開の喜びを語った。
「自粛期間の間にマシンに関する新しいアイデアを思いついたので、チームと一緒に作業をすることが待ち遠しかった。こうした取り組みを始めることが今から楽しみだ。スポーツ面では、ドライバーやコ・ドライバーにとって、ラリーが再開するまでに通常の作業に戻り、WRカーで本格的なステージを走る感覚を取り戻すことは本当に重要。休戦の時間がかなり長かったから、リズムを取り戻すのにも時間がかかる。本当に長い間、辛抱していたので、世界中の状況がよくなり競技を再開できるようになることを心から望んでいる」