レースオブチャンピオンズ(ROC)は6月28日、史上初めてバーチャルで開催。世界各国のモータースポーツのトップドライバー15人を制し頂点に立ったのは、2019年世界ラリークロス王者のティミー・ハンセンだった。
モータースポーツ・ゲームスとの共催で開催されたこのイベントは、現実世界でのROCと同様のフォーマットで実施。F1、インディカー、ル・マン、WRC、世界ラリークロス、フォーミュラEといった世界のトップカテゴリーのほか、ビッグイベントの強豪が名を連ね、同一マシンによる一対一の対決に挑んだ。ROCの歴史の中でも象徴的な舞台、グラベルとターマックがミックスされたグランカナリアや、リヤドのツイスティなコース、ロンドンのウェンブリースタジアムなどが使われた。また、マシンにはVUHLスーパーカー、 KTM X-Bow、ラリークロスマシン、クラシックなROCバギーなど多彩なモデルが用意され、ドライビングスキルを対応させることも求められた。
グランドファイナルに進んだのはハンセンと、NASCARのメキシコチャンピオン、ルーベン・ガルシアJr。この対決を制したハンセンが、史上初めて開催されたバーチャルROCの記念すべきチャンピオンとなった。
レース後、ハンセンは「この大会で勝ったなんて、マジ?」と興奮を隠さない。
「(弟の)ケビンも一緒に喜んでくれて、ウチの中だけど現場と同じ雰囲気だよ! このレースに招いてもらい、本当に光栄に思う。子どもの頃からレースオブチャンピオンズは観てきたし、出ているのはみんな偉大な人たちばかりだった。だから出場することはずっと大きな夢だった。もちろん、実際に顔を合わせたかったけど、今は仕方ない。いつかまた、今度はリアルで出てみせるよ!」
「グランカナリアはラリークロスでレースをしたことがあったから、今回のファイナルも慣れていた。でも、ミスをしないようにレース前に練習した。今回はそれがよかったかな」
「実は、simレーシングではケビンの方がいつも速かったんだけど、今シーズンはラリークロスが開幕できず、バーチャルレースしか参加ができなかったから、それが練習になっていた。何時間も走ったし、今はよかったと思っている。バーチャルのレースはもうすぐシーズンが終わるし、来週末には現実世界のレースが再開する。でも、バーチャルのシーズンをこのように締めくくることができて最高だよ」
セミファイナルでは、DTMチャンピオンのレネ・ラストを破ったハンセン。もうひとつの対戦では、2020年のフォーミュラE選手権リーダー、アントニオ・フェリックス・ダ・コスタがガルシアと対戦していた。
ペター・ソルベルグは準々決勝まで進出したが、ここでハンセンに敗れることに。また世界RXではソルベルグのチームメイトとしてタイトル連覇を果たしたヨハン・クリストファーソンも、準々決勝でラストに敗れている。この準々決勝では、ダ・コスタが2020年のフォーミュラEで母国ラウンド優勝を飾ったストフェル・バンドーンを下し、2020年のバーチャル・ル・マン24時間のウイナー、ラファエル・マルシエロはガルシアに及ばなかった。