ラリーフィンランドの競技最終日は全部で11本のSSが行なわれ、その合計距離は140.05kmと3日間で最も長い。
コースは夜のうちに降った雨で、先頭走者にとっては理想的なコンディションとなった。セバスチャン・ローブはSS12とSS13を最速で駆け抜け後続との差を広げていく。午前中の5本のステージが終了した時点で1位はローブ、2位は10.8秒差でオジエ、そしてローブと20.0秒差で3位ラトバラという順番。
午後のステージ1本目、SS17で2位を走行していたオジエが岩がちな路面で左フロントタイヤをパンク。約10秒を失い首位ローブとの差が17.7秒と大きく開いた。まだ5本のSSが残っており、パンクを避けた守りの走りでオジエのペースはがくんと落ちた。一方のラトバラはSS18でベストタイムをマークし、ついにオジエを抜き去り2位に浮上。
ローブは2位ラトバラとの差を冷静に観察し、スピードとリスクを天秤にかけた絶妙な走りでトップを堅持。最終的に8.1秒差で2位ラトバラを下し、今季4勝目を飾った。これでローブはWRC通算66勝となり、スカンジナビアン以外で初めてフィンランド2勝を飾ったドライバーとなった。
「自分にとっては完璧なラリーで、とても満足している」と、会心の笑顔のローブ。2位はラトバラ、3位はオジエ。4位に入ったヒルボネンは、SS18でオストベルグを、SS20でソルベルグを抜き去った。デイ1で首位から約2分遅れだったことを考えれば望外の結果だ。
以下5位は、走りに精彩を欠いたソルベルグ、6位オストベルグ、7位ヘニング・ソルベルグ、8位マシュー・ウイルソンという結果に。キミ・ライコネンは3度目のラリーフィンランドを9位で走り切った。