WRC初開催が決まったラリーエストニアだが、もし英国で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染数が再び上昇する事態となれば、Mスポーツ・フォードがスタートしない懸念が出ている。
エストニアは現在、住人10万人あたり16人以上の感染率がある国からの入国は、国内移動の前に少なくとも2週間の自主隔離を求めている。
エストニア外務省の発表による7月6日現在の英国の感染率は、14.5人。しかし、これが16人を超えた場合に関して、Mスポーツ・フォードのチームボス、リチャード・ミルナーはすでに、9月4日にラリーエストニアが開催される前にチームメンバーを14日間、自主隔離させる可能性を否定している。
「この質問を受けたことがあるが、ごく簡潔に2文字で答えたよ。nとoだ」とミルナーは語っている。
「作業を始める前にエストニアに2週間も居座るために予算を組むなんて、問題外だ。楽しくすらない。自主隔離だから、何もすることができずホテルの部屋にいるしかないんだからね。もし、イベント側かFIAが費用を出してくれるとしても、2週間早く出発してこのイベントに参加して、トルコにはいずれにしても直行しなくてはならないし、(もしカレンダ―に入れば)イプルーにもそのまま向かわなくてはならない。それをメンバーに求めるのは、かなり難しい。7週間も遠征してくれなんて言えない。欠場だね」
エストニアの隔離問題がなかったとしても、ミルナーはコンパクトにシーズンをまとめるつもりであることを認め、チームが挑む試練の大きさを明かしている。
「我々は選手権に登録していて、それを続けたいとも思っているし、できる限りのことをしている。しかし、間違いなく他の2チームとはかなり違うアプローチをとることになる。もしカレンダーが非常にタイトになれば、そのことを念頭に入れて絶対にトラブルを起こしてはならないと伝えてある。何かが起これば対応できない。何らかの形で柔軟に対応していかなくてはならないが、イベントではできる限り全力も尽くさなくてはならない」
「トルコが会期を早めるかどうか次第だ。もし、イプルーをカレンダーにねじ込もうとすれば、正直、かなりキツくなるだろうね」
(Graham Lister)