WRCが再編成のカレンダーを発表したことで、エルフィン・エバンスは今シーズンが継続されることが分かって安堵した気持ちだったと語った。
トヨタのワークスドライバーを務めるエバンスは、今季スウェーデンで勝利を挙げており、ポイント争いではチームメイトのセバスチャン・オジエに8ポイント差の2番手につけたところで、競技2日目で短縮終了となった3月のラリーメキシコ以来、シーズンは中断している。
シーズンは9月4‐6日、新規イベントのラリーエストニアで再開を迎え、その後はトルコ、ドイツ、サルディニア、ジャパンと続く。いずれかのイベントが開催できなくなった時のために、ベルギーのイプルーラリーとクロアチアラリーが予備イベントとして残されている一方、トルコが会期を一週間早めることができればイプルーが加わり、全9戦になる可能性も残している。
「まず、最初に感じたのは、今シーズンの戦いを続けられるという安心感だった」とエバンス。
「まったく競技がないまま長い時間が過ぎていたので、選手権をシーズン末まで開催できるためにみんなの取り組みが実を結んだことがうれしかった。簡単なことではなかったはずだが、おかげで僕らも自分たちの仕事を再開させることができる」
再編成のカレンダーが、自身にとって初めて世界チャンピオンになるチャンスが広がったことになるかという問いに対し、31歳のエバンスは、ハッキリとは答えなかった。
「自分が考えていることは、次のイベントは何かとか、そのための準備だ」とエバンス。
「今は、エストニアがそれだ。ルートが発表されて、作業を始めるのが待ち遠しい」
エバンスは、8戦だけの戦いで決まったチャンピオンはタイトルにふさわしいと言えるのだろうか、という考えを否定した。
「僕らができることは、ラリーに行って走ることだけだ。選手権があれば、チャンピオンが誕生する。誰かがその戦いに勝たなくてはならないし、みんな立ち位置は同じだ。今は、通常とは違う状況だし、十分な戦数があれば満足しなくてはならない。パンデミックの問題がさらに広がらない限りは、この選手権が継続されることは、誰にとってもいいニュースだ」
(Graham Lister)