今週開催されるERCラリーディローマ・キャピターレは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染流行による自粛明けの最初のFIA国際格式イベントとなるが、同時に現行規定下で同じステージを3回以上使用する初めてのFIAイベントともなる。
現行規定下では、同じステージを同じレイアウトで使用するのは最大2回までとれていた(スーパーSSの使用回数は無制限)。しかし、COVID-19のパンデミックの影響を鑑みて主催者の開催費用削減につなげるため、FIAは同じステージを3回使用するアイテナリーを組むことを認めている。ERCローマでは、日曜日には3本のステージを3回ずつ走行する構成となっている。
アイルランドのクレイグ・ブリーンは、地元で開催されたラリーで3回使用したステージを走行した経験を持っている。
「このイベントが楽になることなら、いいことだと思う。様々な対応が増えていろいろなことが複雑になっているし、費用もかかる」とブリーン。
「でも、アイルランドの道は3回も走るとすごく荒れるので、今回も同じようなことになるのではないかと予想している」
2018年のERCチャンピオン、アレクセイ・ルキヤナクは「通常は1回目の走行時の最初の20〜30台が走ると劇的に変わるので、その後はある程度、安定してくれるといいね」と語る。
「いずれにしても、ローマはドイツやスペインのようにコーナーのインをカットすることはあまりできないラリー。大きな問題にはならないと思う。ラリードライバーにとっては、新しい道や違う道をたくさん走る方が面白いし盛り上がるけど、この状況も理解できるし、今シーズンはこういった対応が必要になってくる」
今回のERCローマ戦には87台がエントリーしており、うち56台がERCのポイント対象となっている。
(Graham Lister)