WRC再開戦ラリーエストニアに向けて、WRCワークス勢が揃って準備参戦したサウスエストニアラリー(グラベル)は8月23日、競技に設定された全8SSの走行が行われ、地元エストニア出身の2019年WRCチャンピオン、オィット・タナック(ヒュンダイi20クーペWRC)が圧勝を飾った。8SSのうち7本でステージウインを奪取したタナックは、WRCで使用されるエリアに近い高速グラベルステージで安定したパフォーマンスを披露し、「何よりも重要なのは、マシンのフィーリングがいいこと。今回はそれを目指していた」と内容にも満足を見せた。
タナック以外で唯一、ベストタイムをたたき出したのは、トヨタの若手、カッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)。
前半は「いろいろなことを試しているけど、自分のセッティングやドライビングにはまだ改善できる余地があると思う。2週間後のWRC再開に向けて、完璧な準備ができているよ」と語っていたロバンペラは、15.16kmのSS6でタナックに0.6秒差をつけてステージウインをマーク。総合2位でフィニッシュした。
「これで、ラリーエストニアに向けてしっかり準備が整ったよ!」
3位に入ったのはロバンペラのチームメイト、セバスチャン・オジエ。
「いい準備ができたし、トラブルなく1日を過ごしたことでラリーエストニアに向けて自信になった」とオジエ。
ヒュンダイのティエリー・ヌービルは、5位でのフィニッシュとなった。
「最初のループでトラブルが多発し、ペースノートにも苦戦したのでチャレンジングな週末になった」と苦戦の模様を語ったヌービル。
「首位争いの望みがなくなったのでリスクは負わなかったが、1日を通して色々なセッティングを試して、ラリーエストニアに向けていい準備ができた。WRCではプッシュしなくちゃね!」
Mスポーツ・フォードのエサペッカ・ラッピは、ヤンプロレーシングからフォード・フィエスタWRCで参戦、4位でフィニッシュした。
「長いブレイクの後で、スピード感を高めることがとても重要だったと思う。今はまだ調子が戻り切っていないが、WRCで活かせることが見つかったと思いたいし、再開のラウンドではもっと速くなりたいね」とラッピ。
チームメイトのテーム・スニネンは、フィエスタR5で参戦。クラス6位、総合12位でフィニッシュした。
「久しぶりの参戦で走れたので、いい腕ならしになった。支えてくれたみんなに心から感謝したい」
一方、トヨタのエルフィン・エバンスは、一時は3番手にもつけていたが、SS5でクラッシュ。ラリーはリタイアとなったが、クルーに怪我はない模様だ。エバンスは、昨年、WRCプロモーショナルイベントとして開催されたラリーエストニアでもクラッシュを喫し、この後のWRCを欠場している。
「コーナーをカットして、草の中の何かに引っかけてしまった。かなりひどいアクシデントだったが、自分もスコット(マーティン、コ・ドライバー)も無事だ」とエバンス。
3月のラリーメキシコ以来となるWRC再開戦となるラリーエストニア(グラベル)は、9月4‐6日に開催を控えている。
サウスエストニアラリー最終結果
1 O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) 48:28.2
2 K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +13.7
3 S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +29.0
4 E.ラッピ(フォード・フィエスタWRC) +1:46.8
5 T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +2:18.6
6 G.グロス(フォード・フィエスタWRC) +3:34.7
7 J.フッツネン(ヒュンダイi20 R5) +3:38.3
8 N.グリアジン(ヒュンダイi20 R5) +3:41.6
9 E.ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5) +3:49.3
10 O.ベイビー(ヒュンダイi20 R5) +3:51.8
11 T.アスンマア(シュコダ・ファビア・ラリー2EVO) +4:05.2
12 T.スニネン(フォード・フィエスタR5) +4:08.9