2011年FIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)第3戦「ラリー・ニューカレドニア」(パシフィックカップ第2戦併催)が、6月10-12日、ニューカレドニアの主都ヌーメアを拠点に開催された。ペルタミナクスコレーシングのリファット・サンガー(インドネシア)/スコット・ベックウィズ(オーストラリア)組は、三菱ランサーエボリューションXで参戦。
サンガーにとってこのラリーは、昨年APRC初優勝を挙げた相性のいいイベントだ。また前戦オーストラリアに続き、APRCを3度制しているマレーシアの強豪、カラムジット・シン/ジェイソン・ファーマー(ニュージーランド)組が、クスコレーシングのサトリアネオ(グループN仕様)で参戦した。
イベント本拠地ヌーメア周辺は、ラリー前に豪雨が続き、サービスパークをはじめ周辺道路のコンディションは悪化。このためサービスパークもスタートを目前にして急遽移設するなどの異常事態に見舞われた。ラリーがスタートしてからは天候も回復したが、ステージにはウエット部分が残り、特に赤土路面を走行するデイ1の2日目は、非常にスリッパリーなコンディションとなった。
ラリーは、10日にヌーメア市街地で行なわれたセレモニアルスタートに続いて、ショートステージ4本を走行した後、翌11日には3本のステージを3回ループする9SS、12日のデイ2には、4本のステージを使用する6SSが設定。計19SSの総走行距離は、223.80kmだった。
雨の影響でぬかるんだ路面の対策としてチームは、初日のショートステージではサンガー選手に対しマッド路面用のタイヤを投入。これが功を奏し、この日4本のステージを終えてサンガー選手がトップに立った。翌日のデイ1・2日目では、赤土にウエットが混ざった極度にスリッパリーなコンディションに、多くのエントラントにトラブルが続出。サンガー選手もSS6でスタックし、コ・ドライバーのベックウィズ選手がマシンを押し脱出するまで約1分半ものロスを喫した。しかし、その後はトップ3以上のタイムを連発、この日最後のSSではベストタイムもマークし、3位でフィニッシュ。
最終日も周囲が脱落していくなか、サンガー選手は安定して好タイムをマーク。波乱の展開のなか、トップのクリス・アトキンソンに次ぐ2位でフィニッシュを果たした。ボーナスポイントも加算したサンガー選手は、シリーズランキングで4位に立っているほか、パシフィックカップでは、今イベントを制したクリス・アトキンソン選手に13ポイント差をつけて首位に立ち、次戦の最終戦でタイトル獲得を目指す。
一方、シン選手もベテランの経験を活かして、4WDマシンが次々にリタイアしていく悪コンディションの中でも、安定したパフォーマンスを発揮。文句なしのクラス優勝に加え、総合順位でも10位に入り、APRCポイントまで獲得した。
次戦APRC第4戦(パシフィックカップ最終戦)「インターナショナル・ラリー・オブ・ワンガレイ」は7月15-17日にニュージーランド北島のワンガレイ周辺で開催。