当初は全14戦が予定されていた2020年のWRCだが、今となっては7戦から開催が増えることはなさそうで、選手権史上最少戦数のシーズンとなる見通しだ。
ラリードイツが今季の開催を断念した後、FIAとWRCプロモーターは代替イベントについて言及することを止めている。両団体とも8月には「少なくとも8戦を構成する」とし、「クロアチア自動車&カート連盟との話も前向きに進んでいる」としていた。そのクロアチアとは、話し合いを止めたわけではなく、代わりに2021年の開催を視野に入れている模様だ。
ラリードイツの開催中止とともに、サルディニア島でのラリーイタリアは会期を変更した。いったんは10月29日〜11月1日で日程が固まっていたものの、同じ週末に同じくCOVID-19の影響に対応したF1グランプリがイモラサーキットで開催されることになったため、重なることを避け、10月8〜11日を選択した。これは、ラリートルコのフィニッシュから18日後にあたる。
ラリーイタリアは、初めに予定していた6月上旬の会期を10月末に変更した際、日没までの時間が早いことが懸念されていたが、会期を再修正したことでその問題も解決することになった。しかし、2度目の調整を行ったこの会期は、サンマリノで開催されるラリーレジェンドと重なっている。このイベントは伝統的にWRCドライバーが数多く参加しており、Mスポーツは8月には、このラリーレジェンドに現行スペックのフォード・フィエスタWRCを送るつもりであることを明言している。さらにサルディニア戦のオフィシャルがスタッフを兼任していることも問題となりそうで、今度はこのラリーレジェンドが会期調整を余儀なくされそうだ。
(Graham Lister)