今週開催されるWRCイタリア・サルディニアでは昨年、ダニ・ソルドがWRCでの自身2勝目をマークしているヒュンダイ。今年もティエリー・ヌービル、オィット・タナックにソルドを加えた3人をi20クーペWRCのドライバーとしてエントリーしている。
2019年の勝利のほか、イタリアでは合計3勝をこれまでにマークしているヒュンダイだが、うち2回はダブルポディウムと、チームにとって非常に相性のいいイベントだ。さらに、今回参戦する3人はいずれも、この4シーズンのうちにサルディニアで優勝を経験している。今季は、シーズン再開初戦のエストニア戦で1‐2フィニッシュ、続くトルコでもダブルポディウムを決め、連覇を狙うマニュファクチャラーズ選手権では首位トヨタとの差を9ポイントにまで詰めた絶好のタイミングで、サルディニアを迎える。
今年のサルディニアは通常の夏開催よりも会期が遅くなり、天候は涼しくなるが、より予測が難しくなると見られている。3クルーはイベントに向けてサルディニアでテストを行い、ダスティなグラベルラリーへの準備を進めた。
波乱のトルコを2位でフィニッシュしたヌービルは、2016年と2018年にサルディニアを制している。この勢いをつなげていきたいところだ。
「サルディニアにはとても美しい道があり、リズミカルでナローなステージもある」とヌービル。
「この道の性格は自分のペースノートシステムやドライビングスタイルと相性がいい。このラリーではいつもいい速さを見せることができているし、過去2勝をマークしている。例年の夏開催と比べて天候は違うかもしれないので、特に雨が降ればその点ではチャレンジングになるかもしれない。ほとんどのステージはこれまでに経験しているので、楽しみにしているよ」
タナックは、2017年にサルディニアでの勝利を挙げている。
「通常は暑くてタフなイベントだが、今年は少し会期が遅いので天気の面では難しいコンディションになるかもしれない」と警戒するタナック。
「ウエットになれば、ラリーのコンセプトが一転することにもなりかねないので、状況を幅広く予想しておかなくてはならない。ステージはグリップが高い道で構成されているのでタイヤにもタフになりやすいから、全般的にタイヤマネージメントが重要だ。違うタイプのグラベル路でもi20クーペWRCの速さを披露したいし、優勝争いに絡んでいきたい」
昨年のサルディニアの覇者であるソルドは、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの懸念から土曜日で終了した3月のラリーメキシコ以来となるWRC参戦に臨む。
「サルディニアは自分にとってすごく特別なラリーで、昨年は本当に素晴らしい思い出ができた」とソルド。
「ヒュンダイで勝利をマークした時の気持ちは絶対に忘れられないし、今年も再現できたらいいね! ステージは、1回目の走行は路面にルーズなグラベルがたくさん乗っているため、かなりスリッパリー。だから走行順が遅い方が有利になることが多い。先日のテストではマシンのフィーリングはとてもよかった。もちろん目指すのは優勝だ」