米国の国内ラリー選手権、アメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)の2020年第4戦、ショーミー・ラリー(グラベル)が10月2〜3日、ミズーリ州で開催され、スバル・モータースポーツUSAから参戦したブランドン・セメナック(スバルWRX STI)がARA参戦わずか3戦目で初優勝をマーク。チームメイトのトラビス・パストラーナもステージウインを2本獲得して2位に入り、チームが1‐2フィニッシュを飾った。
ドライでダスティなコンディションとなったこのイベントでは、グリップ面でも視界の面でもクルーに厳しい試練を与えた。SS1ではパストラーナがベストタイムをたたき出したが、SS2になるとセメナックが好パフォーマンスを披露し、パストラーナから首位の座を奪取。SS3ではパストラーナが2回のパンクに見舞われて1分近くをロス。セメナックも、ここでベストタイムをマークした選手権ライバルのバリー・マッケンナ(フォード・フィエスタS2000 ターボ)に首位を譲り、1秒を追うかたちで金曜日の初日を終えた。
しかし、土曜日の午前中に設定された3SSで接戦が展開されたのち、日中サービスで波乱が起きる。マッケンナはドライブシャフトを破損し交換、セメナックも着地の衝撃でオイルパンを破損し交換が必要となった。セメナック車はサービスの制限時間内に作業を終えたが、マッケンナはサービスアウトが遅れたためにタイムペナルティを受けることになったのだ。これで30秒のギャップを得て首位に立ったセメナックは、この後の3SSでは余裕を持って走行。SS9ではステージウインを獲得して、ARA初勝利を決めた。パストラーナは3位タイムでフィニッシュしたが、その後、マッケンナのマシンにアンチラグシステムの違反が見つかったためペナルティが与えられたことから、パストラーナが2位に繰り上がった。
「この週末を勝つことができて、信じられない気持ちだよ」とセメナック。
「今年のイベントの中では、100エーカーウッドが初参戦だったが、今回は少なくとも余裕を持てるイベントだった。ステージはとても高速のセクションがあるし、ダストも試練だったが、クリーンな走りで、グリップを得るためにマシンを信頼しなくてはならない。今日はチームのテクニシャンもサービスで最高の仕事をしてくれた。おかげで午後の走行にアドバンテージができて優勝することができた」
パストラーナも「素晴らしいバトルだったし、またポディウムに上がれてうれしいよ!」とコメント。
「ここの道は自分のドライビングスタイルとあまり合わないので、なかなか結果につながらなかった。金曜日にパンクに見舞われたので、今日は少し抑えて、マシンを無事に持ち帰ることに専念した。優勝を目指して全開で走れなかったのはあまり楽しいものではないが、ブランドンのことは何よりもうれしいよ。彼は週末を通してすごく速かったし、優勝のためにすべてを尽くした」
スバル・モータースポーツUSAの次の参戦は、11月14〜15日にワシントン州で開催されるARAの今季最終戦オリンパスラリー(グラベル)となる。
ARAショーミー・ラリー 最終結果
1 B.セメナック(スバルWRX STI) 52:38.7
2 T.パストラーナ(スバルWRX STI)+1:06.0
3 P.ブレナン(フォード・フィエスタ・プロト) +8:33.6
4 B.マッケンナ(フォード・フィエスタS2000 ターボ) +8:33.7
5 P.ロウリー(フォード・フィエスタR5) +9:01.6
6 Z.ジャックス(スバルWRX STI) +9:52.8
7 C.スティーリー(フォード・フィエスタST) +10:24.5
8 C.オードリスコル(スバルWRX STI) +10:34.0