WRCイタリア:先頭スタートのエバンス「タイムロスは覚悟のうえ。大きな試練」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCイタリア:先頭スタートのエバンス「タイムロスは覚悟のうえ。大きな試練」

©Jaanus Ree/Red Bull Content Pool

今週開催されるWRCサルディニアの初日、ダスティなグラベルステージを先頭でスタートするトヨタのエルフィン・エバンスは「底辺から上がっていくのは途方もないチャレンジだ」と語った。

エバンスは現在、ドライバーズ選手権で2番手につけるセバスチャン・オジエに18ポイントの差を築いている。しかし、金曜日の開幕レグで先頭走行を担うエバンスは、ここで大きなタイムロスを背負うことを覚悟しているという。
「この段階で選手権をリードしていることには、それほど大きな価値はない。サルディニアの道を先頭で走るというペナルティが与えられるだけだ」とエバンス。
「ドライで先頭を行くことがどれほど難しくなるか、このラリーでは何度も目の当たりにしている。だから、今回はリスクを負ってまで攻めることはしない。とにかく全力を尽くすだけだ。この試練を背負ったうえで好リザルトを出すためには、すべてのことが噛み合ってもらわなくてはならない」

エバンスは、大波乱の展開となった前戦のトルコで今季2勝目を飾ったことで選手権の首位に立った。そして、この週末もタフな戦いになると見ている。
「底辺からのし上がっていかなくてはならない自分は、本当に途方もない試練になると思う。すべてが自分に不利になると考えて、慎重にポイント獲得を目指して走れば、8位か9位というところだろう。自分たちが置かれている状況の中で最大限のことをしなくてはならない」

サルディニア戦のレグ1は6SSが設定されており、この日の総ステージ走行距離は95.25km。前半のうち4SSは2SSを2ループする構成のため、砂利掻きをしなくてはならないステージは62kmほどとなる。
「ラリーそのものが非常に難しいとか、そういうことではない」と語るエバンスは、Mスポーツ・フォードから参戦した昨年のサルディニアは4位でフィニッシュしている。
「後続のタイムを見た時が辛いね。砂利掻きの影響は本当に大きいから、出走順が後になるほど速くなる。もちろん、ものすごくグリップレベルが低い道を走った経験は自分にもある。マシンが止まるまでに少し時間が長くかかるから、ブレーキの判断も少し難しくなる」

エバンスは今季初勝利をスウェーデンで飾っており、ここで選手権首位に立ったことで3月のラリーメキシコも初日は先頭でスタートしている。
「メキシコはすごくサンディで、表面がかなりルーズだったが、サルディニアは地盤がとても固く砂の層がとても細かい。サルディニアの方が状況は悪くなるかもしれないが、ご存じのとおり例年とは会期が違うので、小雨でもいいから降ってくれることを願っている。そうすれば、自分が抱える痛みも多少は和らぐかもしれないからね」

先頭走行が不利になる一方で、ドライバーに有利になる働きが出ることもあるとエバンスは語る。
「石が掘り出されて路面に出てくることで、パンクの問題もある。もしダストが空中に残るようなら、先頭走行は断然有利だ。トルコでは初日の夜に、セブ(オジエ)がナイト走行の2本目をクリーンに走って、ベストタイムをマークしているからね」
(Graham Lister)

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