2019年のERCでクリス・イングラムをチャンピオンに導いたドイツ拠点の強豪チーム、Toksport WRTがルノーの新モデル、クリオRSRラリー5(旧R1)をERCに投入する。長年、若手ドライバーの育成に尽力してきたチームは、ドライバーにノルウェーの成長株のオーラ・ノーレとイタリアの若手、レイチェル・ソマスキーニを起用し、次戦のラリーハンガリーからシリーズに復帰する。
RSRはルノー・スポール・レーシングの頭文字をとったもので、4万2000ユーロ(税抜き、約512万円)でユーザーに供給される。エンジンは4気筒16バルブ1330ccターボで、180馬力/トルク300Nmを発揮する。全長4050mm、全幅1798mm、車重は1080kg。ギヤボックスはサデフ製5速シーケンシャル。
このクリオRSRラリー5は、1月のラリーモンテカルロでコースカーとして登場しており、この時はERC3で活躍するフローリアン・ベルナルディがドライバーを務めた。初秋からナショナルレベルのイベントで使用されるようになり、フランスのクリオ・トロフィーには30以上のクルーが参戦している。
Toksport WRTのトルガ・オザキンチによれば、クリオRSRラリー5のプロジェクトは、何カ月にも渡って計画されてきたもので、ルノー・スポール・レーシングによるカスタマー部門の拡充の一環だという。
「3月のアゾレスラリーからこのクリオを走らせる計画にしていたが、新型コロナウイルスのパンデミックによりシーズン開始が遅れ、我々のプランも延期に追い込まれた」とオザキンチ。
「今季のERC残り3戦で、2台のクリオ・ラリー5を走らせ、その後、ルノーが来季に向けて計画しているクリオ・ラリー4にスイッチしたいと思っている。我々はルノーからサポートを受けており、これらのイベントは我々のドライバーたちにとって、いいテストになる。我々としても、もちろんERCに復帰することを楽しみにしている」
ルノー・スポール・レーシングのカスタマーレーシングディレクター、ブノワ・ノジエは「クリオ・ラリー5のERCデビューを迎えることができ、うれしく思う」とコメント。
「1年近くほど前、我々はToksportとの協力を始め、2020年にトルコでの我々の公式ディストリビューターになってもらった。このクリオRSRラリー5が、若手が豊富な経験を積むために最適のモデルだと彼らは最初から確信していたよ。ラリーハンガリーはToksportにとって、2021年にクリオ・ラリー4が登場するまでの準備の最初のステップとなる。ERCタイトルを目指すための新しい武器を投入するため、力を合わせて必死に取り組んでいる」
Toksportは今季のERC残り3戦にエントリーする予定で、いずれもERC3ジュニアにノミネートする。ノーレは、これがERC初参戦。一方、ソマスキーニはこれまでにERC3ジュニアにプジョー208ラリー4で2度参戦し、好走を披露している。