2019年にERCドライバーズタイトルを獲得した英国のクリス・イングラムが、11月26〜28日に開催されるERC第5戦ラリーイズラス・カナリアス(ターマック、スペイン)で、今季初めてERCに参戦する。マシンはルノー・クリオRSRラリー5。
昨年11月に開催されたラリーハンガリーでERCタイトルを決めたイングラムだったが、以来、参戦から離れていた。今回は昨年よりもスペックでは劣るマシンではあるが、現チャンピオンとして初めてのERC戦参戦がようやく実現する。エントリーするのは昨年と同じToksport WRTからとなるが、マシンは昨年のシュコダ・ファビア・ラリー2ではなく、新モデルのルノー・クリオRSRラリー5。チームから参戦しているラチェーレ・ソマスキーニの代替としてのエントリーとなる形だ。ソマスキーニは嚢胞性線維症に襲われ、医学的見地から飛行機での移動は控えるよう指示を受けたという。
「自分が主軸とするのは、2021年にしっかり整ったプログラムを確保することではあるが、自分が大好きなこのラリーに参戦できるのは最高の機会だ」とイングラム。
「1年近く競技マシンから離れていたので、またこのチームに戻れることが本当にうれしいし、2021年にフルスペックのラリー4へのアップグレードを目指すクリオを改良させていくという点で、Toksportの力になれれば素晴らしいことだと思う」
「ラリーイズラス・カナリアスには、ERCジュニアタイトルを決めたり総合2位でフィニッシュしたりと、いい思い出がたくさんある」と語るイングラム。2020年はWRC2とERC1を組み合わせた参戦プログラムを組んでいたが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響を受けて、実現に至らなかった。イングラムが今回駆るクリオ・ラリー5は、ERC前戦のラリーハンガリーでオーラ・ノーレが自身初の国際ラリーでERC3ジュニア部門のポディウムフィニッシュを飾っている。
(Graham Lister)