ERCは、2020年の最終戦としてベルギーで予定していたスパラリーが開催を断念したことで、今季の最終戦がラリーイズラス・カナリアス(11月26〜28日)になることを発表した。
スパラリーの今季の開催中止には、スパ市長であるソフィー・デレットレ、リージュ州知事であるヘルベ・ヤマールが合意。主催者であるDGスポーツはイベント開催に向けて全力を尽くしてきたが、現在の新型コロナウイルスの感染拡大に対応が及ばない状況、ベルギー国内の健康状況や、必要となるすべての安全対策の許容能力を判断して決断に至ったという。
「DGスポーツはここまで非常にがんばってきてくれたが、スパラリーの延期をすることが今、自分が行う義務であると判断した」とスパ市長のデレットレ。
「現在、我々が直面している健康不安や危険性により、非常に警戒しなくてはならない段階であると判断をした。我々の活動のすべてに影響するこの状況を、非常に悲しく思う。観光、文化、そしてモータースポーツはスパのDNAであり、今回の感染流行が落ち着いた後には、安心して通常の生活を再開できることを心から願っている」
スパラリーの主催者であるDGスポーツのクリスチャン・ジャプシンは「3月に続いて、再びスパラリーを延期せざるを得ない状況となったことは、非常に残念」とコメント。
「見応えのある大会を開催するために準備を進めてきた。この場を借りて、尽力してくれたスタッフたちに敬意を表したい。またスパ市やそのほかの自治体に、これまでの支援や信頼してくださったことにも感謝したい。今は、この厳しい1年のページを粛々とめくることしかできないが、2021年にさらに魅力的なイベントを開催するために全力を尽くしていきたい」
ERCコーディネーターのジャン‐バティスト・レイは「今季のスパラリーは、2021年に延期する以外の選択肢がなかったという事実を、DGスポーツとともに受け止めている」とコメント。
「主催者陣は、2020シーズンにスパラリーを開催するためにできる限りを尽くしてきたが、健康と安全はどんな時でも我々の最優先事項でなくてはならない」
「今回の決定でみんなが失望や困難を感じる一方で、この厳しい未曾有の2020年に5戦のカレンダーを構成したという成果も認識しなくてはならない。これが実現できたのは、FIAラリー委員会をはじめとする関係各位のおかげ。ERCファミリーはCOVID-19で苦しんでいる方々と思いをともにしている」
激動の2020シーズン、ERCはここまで、イタリアのラリーディローマ・キャピターレ、ラトビアのラリーリエパヤ、ポルトガルのラリーファフェ・モンテロンゴ、ラリーハンガリーが開催を終えており、来週末のカナリアス戦を最終戦として全5戦での構成。カナリアス戦の国際部門には70台がエントリーしており、うち46台がERCにノミネートしている。