今週、イタリアで開催される2020年WRC最終戦ラリーモンツァ(ターマック)を、ヒュンダイはマニュファクチャラーズ選手権首位で迎える。ランキング2番手のトヨタに対して7ポイントと、僅差ながらリードを築いている。
チームは、ドライバーズタイトルの可能性も残すティエリー・ヌービル、オィット・タナックに加え、前戦サルディニアで優勝をマークしているダニ・ソルドの3人を、ヒュンダイi20クーペWRCのドライバーに起用して、マニュファクチャラーズタイトル防衛に向けての最終決戦に臨む。
サルディニアでは、ソルドとヌービルが1‐2フィニッシュを飾ってマニュファクチャラーズ選手権で首位に浮上したヒュンダイ。チームとしては、ラリーモンツァのベースとなっているモンツァラリーショーにはこれまでに4回参加しているほか、2016年にはi20クーペWRCを公式に発表した思い出の残るイベントでもある。WRC最終戦に向けて、全3クルーがイタリアの北部でテストを行った。
今季は開幕戦モンテカルロで優勝を飾った後、トルコ、サルディニアでポディウムに上がり、ドライバーズ選手権では3番手につけているヌービル。母国ベルギーでの初のWRC開催は中止となってしまったが、モンツァでの最終戦決戦に向けて全力投球を誓う。
「ラリーモンツァは、間違いなく特別なイベントだし、この厳しい状況のなかでWRCカレンダーに加わることになってよかったと思う」とヌービル。
「モンツァではラリーショーに何度か参加したことがあるが、今年はWRCとして開催されるのでフォーマットはまったく違う。ここのラリーショーでは、いつも楽しい経験をしてきた。今回のシーズン最終戦はエキサイティングで、緊張感のあるイベントになると思う。僅差のスプリントバトルになるだろう。全力を尽くして挑んでいく」
現ドライバーズ王者のタナックも、計算上はわずかながらタイトル防衛のチャンスを残しており、WRCとしてはまったく新しいこのイベントに向けて気合いを入れる。
「モンツァには初めて参加する」とタナック。
「動画を見たことはあるが、過去のイベントと今回のラリーとはコンセプトの点ではほぼまったく違う形になりそうだ。サーキットだけを走るデイの後に、林道ステージのデイが設定されているので、ビッグチャレンジになる。チームとしては、マニュファクチャラーズタイトルを防衛するために全力を尽くさなくてはならない。ドライバーズ選手権でも、可能性はまだ開かれている。最終戦なので、失うものはない。全力を尽くしての決戦になるだろう」
前戦サルディニアでタイトル連覇を果たし、チームのマニュファクチャラーズ選手権首位浮上に貢献したソルドは、モンツァラリーショーの参戦経験もあり、今回、サードドライバーに起用された。
「目指すことは明らか。総合優勝を目指して戦い、マニュファクチャラーズタイトルを獲得することだ」とソルド。
「チームのためにも、非常に重要なミッションであることは自覚している。選手権ではリードは7ポイントなので、接戦になる。モンツァラリーショーには過去に参加したことがあるが、とても独特なイベントだ。初日はサーキットのみの走行で、新旧のセクションを織り交ぜた内容。パラボリカといったお馴染みのセクションのほか、グラベルやマッドのセクションもある。翌日は、完全にサーキットの外での設定と、大きく特徴が分かれている。間違いなくいいラリーになると思うよ」