WRCモンツァ事前情報:激動のシーズン最終戦は選手権初開催の名門サーキット – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCモンツァ事前情報:激動のシーズン最終戦は選手権初開催の名門サーキット

©FIA

新型コロナウイルス感染流行の影響を受けて激動のシーズンとなった2020年のWRCは、今週末イタリアのラリーモンツァ(ターマック)でフィナーレを迎える。

前戦のサルディニアに続いてのイタリア開催となるが、イタリア本土でのWRC開催は2003年以来。F1イタリアグランプリの舞台として知られるオートドローモ・ナショナーレ・デ・モンツァでは、1978年以来、シーズン末に毎年ラリーイベント、モンツァラリーショーが開催されてきたが、WRCとして開催されるのは今回が初めてとなる。このモンツァサーキットにF1コースに加えてバンクのついたオーバルやグラベルセクションを盛り込んだステージが設定されるが、ベルガモ北部の山岳路を使った従来のスタイルのラリーステージもルート構成に含まれている。

タイトル決戦を迎えるこのモンツァでは、トヨタのエルフィン・エバンスが自身初のドライバーズタイトルに王手をかけている。ただひとり、今季ここまでの6戦で2勝以上をマークしているエバンスは、選手権2番手につけるチームメイトのセバスチャン・オジエに14ポイントのギャップを築いている。そのオジエは、この状況を覆して自身7度目のタイトル獲得を狙う。ヒュンダイのティエリー・ヌービルとオィット・タナックもタイトルチャンスを残しており、エバンスに対してのポイント差はそれぞれ24ポイント、28ポイントとなっている。

マニュファクチャラーズ選手権のタイトル争いは激化しており、サルディニアで首位に浮上したヒュンダイと2番手トヨタとの差は、わずか7ポイント。今季もイベントごとにサードドライバーを使い分けているヒュンダイだが、このモンツァには前戦サルディニアでイベント連覇を果たし、モンツァラリーショーの経験もあるダニ・ソルドをラインナップに加えている。

トヨタはシーズンを通して、エバンス、オジエに加え選手権ルーキーながら見事な活躍を見せてきたカッレ・ロバンペラとラインナップを固定。さらに日本の勝田貴元も、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの一環として、今季のWRC参戦プログラム、最後の参戦に4台目のトヨタ・ヤリスWRCで臨む。Mスポーツ・フォードは、エサペッカ・ラッピ、テーム・スニネン、ガス・グリーンスミスの3人をフォード・フィエスタWRCのドライバーとしてエントリー。またこのモンツァでは、ラリー北海道で日本での参戦経験もあるオーレ・クリスチャン・ベイビーが、2Cコンペティションからヒュンダイi20クーペWRCでエントリー。ベイビーは、これが初のWRカーでのWRC参戦となる。

WRC2部門では、前戦サルディニアを終了した時点でToksportがチームズタイトルを確定。しかし、ドライバーズタイトルはモンツァで決戦を迎える。Toksportのシュコダ・ファビア・ラリー2 EVOを駆るスウェーデンのポンタス・ティデマンドは、選手権リーダーでPHスポールのシトロエンC3 R5を駆るマッズ・オストベルグを18ポイント差で追う形で最終戦を迎える。

WRC3では、選手権首位のヤリ・フッツネンと2番手につけるボリビアのマルコ・ブラシアとの差は、わずか2ポイント。しかし、元ポーランドチャンピオンのカエタン・カエタノビッチもフッツネンに13ポイント差とチャンスを大いに残しており、タイトル争いの台風の目となりそうだ。

ジュニアWRCも、このモンツァで王者が決まる。選手権首位につけるのはラトビアのマルティン・セスクで、リードは10ポイント。ジュニアWRCでは、ステージウインポイントが設定されており、今回は16SSが設定されている。さらに、この最終戦では選手権ポイントが1.5倍となることから計算上は5人のドライバーがタイトルの可能性を残しているが、注目はやはりセスク、スウェーデンのトム・クリステンソン、フィンランドのサミ・パヤリの3人の争いに集まりそうだ。

■ラリールート
シェイクダウンは12月3日木曜日の午前にモンツァで行われた後、午後にはラリーの開幕ステージとなるスーパーSS(4.33km)を走行する。金曜日は、さらに10〜16kmのステージ、5SSがモンツァに設定されている。今戦の山場と見られている土曜日は、総ステージ走行距離の半分に当たる距離に挑まなくてはならない。この日は、金曜日の最終ステージ、グランプリ(10.31km)を再走する。最終日は、この3回目のグランプリを走行した後、14.00kmのセラグリオを2回走行。2回目は、今シーズン最後のパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2020年12月3-6日
サービスパーク設置場所:モンツァ
総走行距離:513.90km
総ステージ走行距離:241.14km(SS比率47.9%)
総SS数:16

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

2020年WRC暫定スタンディングス(第6戦サルディニア終了時点)
■ドライバーズ選手権
1 エルフィン・エバンス(トヨタ) 111pts
2 セバスチャン・オジエ(トヨタ) 97pts
3 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイ) 87pts
4 オィット・タナック(ヒュンダイ) 83pts
5 カッレ・ロバンペラ(トヨタ) 70pts
6 テーム・スニネン(Mスポーツ・フォード) 44pts
7 エサペッカ・ラッピ(Mスポーツ・フォード) 38pts
8 ダニ・ソルド(ヒュンダイ) 26pt
9 クレイグ・ブリーン(ヒュンダイ) 25pts
10 セバスチャン・ローブ(ヒュンダイ) 24pts

13 勝田貴元(トヨタ)8pts

■マニュファクチャラーズ選手権
1 ヒュンダイ・シェル・モビスWRT 208pts
2 トヨタ・ガズーレーシングWRT 201pts
3 MスポーツWRT 117pts
4 ヒュンダイ2Cコンペティション 8pts



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