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アウディ、電動ドライブトレーンで22年のダカールへ。スベン・クワントの新チームとタッグ

©AUDI

アウディは、2022年のダカールラリーに電動ドライブトレーンのプロトタイプモデルで初めてワークス参戦することを発表した。世界でも最も過酷なクロスカントリーラリーとして知られるダカールラリーへの挑戦には、新たに設立したドイツ・トレーブール拠点のQモータースポーツとタッグを組む。Qモータースポーツは三菱WRCチームを率いた経験をもつスベン・クワントと、彼の息子ふたりが設立したもの。

アウディがダカール参戦に使用するのは、電動ドライブトレーンと高電圧バッテリー、高効率エネルギーコンバーターを組み合わせた電動マシンのプロトタイプ。エネルギーは高電圧バッテリーから供給され、ドライブ中も必要に応じて高効率のTFSIエンジンからエネルギーコンバーターを介して充電することができるという。

アウディは、このシステムを投入する目的として、今後数年間で電動ドライブトレーンとバッテリーの性能を改善することにあるとしている。この取り組みを通じて得られた経験は、将来の電動量産モデルの開発にも組み入れられる。

「Qモータースポーツとの協力により、我々は長年にわたりアウディで実証してきた自分たちの哲学を守り続けていく」と語るのは、アウディのモータースポーツ活動の責任者でアウディ・スポーツのマネージングディレクター、ユリウス・シーバッハ。
「革新的なドライブトレーンのコンセプトによるダカール用プロトタイプの開発は、内製で行われた。ダカールには、経験豊富なパートナーとともに参戦する。Qモータースポーツは、豊富なクロスカントリーカテゴリー独特の経験を活かしてくれることになる」

Qモータースポーツはスベン・クワントと、彼の息子トーマスとトビアスによって設立された。スベン自身もドライバーとして、1998年にクロスカントリーラリーのT1マラソンカップで優勝を飾っている。同年、自身のチーム、GECOレイドは、パリ・ダカールのT1クラスでポディウムを独占。2002年11月から2004年末までは三菱モータースポーツのトップを務めた。同時に、Xレイドチームを立ち上げ、ダカールラリーで5回の優勝をマークしたほか、FIAワールドカップ for クロスカントリーラリーのタイトルを7回獲得している。

「Xレイドと並行して、Qモータースポーツ単体としてもクロスカントリーラリーの新境地を開拓したい」とスベン・クワント。
「世界は変化しており、ダカールはその中でも継続が可能であることを証明し、前進の道を示し続けなくてはならない。これは、まさにQモータースポーツが、アウディとともに披露したいと思っていることそのものだ」

なおアウディは、ダカールラリーへの参戦をワークスとして活動することにより、フォーミュラEへのワークス参戦は2020年で終了することも発表。カスタマーチームが新たに開発したアウディのパワートレーンは、2021年以降も使用が可能だとしている。



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