ダカールラリーの2021年大会は、1月7日、リヤド〜アル・カイシュマ間に設定された第5ステージ、の456kmの走行が行われた。この日は壮大な砂丘や石が多くパンクの危険が高いセクション、ナビゲーションのトリッキーなセクションなど多くの試練が待ち受けるステージとなった。
カー部門では、ステファン・ペテランセル(MINI JCWバギー)とトヨタ・ガズーレーシングのナッサー・アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス)のバトルが激しくなっており、両者の差は6分と僅差が続いている。
「まさにダカールのステージ。本当にナビゲーションが複雑だったし、砂丘も簡単ではなかった」とペテランセルは語っている。
この日は、アル‐アティヤのチームメイト、ジニール・ドゥビリエがようやくトラブルのない走りを見せ、ステージウインを獲得した。
「序盤は流れがつかめなかったが、今日はすべてが噛み合ってきたようだ」とドゥビリエ。
一方、クバ・ライゴンスキー、カルロス・サインツ、セバスチャン・ローブは試練の一日となり、持ち前の一貫性で凌ぎ切る展開となった。ローブは総合順位を10番手に下げている。
プジョー3008 DKRのシリル・デプレはスポーツマン精神を披露。チームメイトのハリ・アル‐カシミがフィニッシュ手前800mで故障に見舞われた際に、Aアームを提供した。「谷や渓谷、ダストが多かった。同じ場所で25台がひっくり返っていた。ステージのスタートは本当に厳しかった」とデプレ。
日本勢では、チームランドクルーザーの三浦昂車にステアリングトラブルが発生。後方から追いついたロナルド・バソからサポートを受け、2台が揃ってフィニッシュして市販車部門での1‐2をキープしたほか、三浦は総合順位では42番手に上げ、バソは45番手を維持している。
「重いステアリングを必死で操作したので両手にマメができた。パワステが壊れた状態で砂丘を走ると、砂の抵抗でステアリングがあらぬ方向に切れてしまい、スタックやパンクを招いてしまう。結局、2台分のスペアタイヤ合計6本全部を使い切ったので、バソがいなかったらゴールできなかったと思う。本当に感謝している」と三浦。
一方、日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(日野レンジャー)は、しっかりペースを取り戻し、難関のロングステージをしっかりクリア。トラック部門の総合順位も15番手に上げたほか、排気量10リットル未満クラスで首位を堅守している。
菅原は「450kmのSSだったが、平均車速が上がらず難しいSSとなった。新たに壊れた部分もあり、毎日少しずつ直しているので、ゴールするころには新車になりそうだ」とコメント。
明日8日はアル・カイシュマ〜ハイル間の448kmが設定されている。
ダカールラリー2021 暫定結果(ステージ5終了時点)
1 S.ペテランセル(MINI JCWバギー) 18:28:02
2 N.アル‐アティヤ(トヨタ・ハイラックス) +06:11
3 C.サインツ(MINI JCWバギー) +48:13
4 J.ライゴンスキー(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ) +1:04:49
5 M.プロコップ(フォード・ラプターRSクロスカントリー) +1:10:32