WRCモンテカルロ:オジエが通算8回目のモンテカルロ優勝を飾る – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCモンテカルロ:オジエが通算8回目のモンテカルロ優勝を飾る

©TOYOTA

1月24日(日)、2021年FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロの最終日デイ4が、モナコを基点に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシアが優勝。エルフィン・エバンス/スコット・マーティンは総合2位で、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは総合4位でフィニッシュし、チームは最高のシーズンスタートをきった。

(以下チームリリース)


ラリー・モンテカルロのデイ4は、モナコのパルクフェルメを基点に、フランス山中で2本のステージを各2回走行。その合計距離は54.48kmでした。ラリー最終日はサービスの設定がなく、タイヤに関しても早朝ステージに向かう時に装着、搭載していたタイヤ以外は使用することができません。そのため、最終ステージにかけて路面コンディションがどのように変わっていくのかを、モナコを出発するまでに見極める必要がありました。

デイ3が終了した時点で首位はオジエ、13秒差でエバンスが総合2位、56.8秒差でロバンペラが総合3位と、ヤリスWRCがトップ3を占めていました。そして、デイ4オープニングステージのSS12ではオジエがベストタイムを記録し、エバンスとの差を21秒に拡げました。続くSS13ではエバンスが2番手タイム、オジエが3番手タイムで差は19.7秒に縮まりましたが、SS14でオジエはベストタイムを刻み差を28.1秒に拡大。そして、ボーナスの選手権ポイントがかかる最終の「パワーステージ」で、オジエは今大会8回目のベストタイムを刻み優勝。2年ぶり、通算8回目(2009年のIRC開催大会も含む)となるラリー・モンテカルロ優勝を飾り、WRC通算50勝を達成しました。

トヨタは、過去ラリー・モンテカルロで3回優勝していました。そして、TOYOTA GAZOO Racing World Rally TeamとしてWRCに復帰した2017年はヤリ-マティ・ラトバラが総合2位に入り、以降毎年表彰台を獲得してきましたが、今回ついにヤリスWRCがウイニングマシンとなりました。トヨタにとっては、1991年に初めてラリー・モンテカルロを制してから30年目となる記念すべき大会での、4回目の優勝となりました。

オジエと最後まで勝利を争ったエバンスは、昨年の総合3位を上回る総合2位を獲得し、パワーステージでは3番手タイムを記録。表彰台争いをしていたロバンペラは、SS12でタイヤにダメージを受けて遅れをとるも、パワーステージではオジエに次ぐセカンドベストタイムを記録して、総合4位でフィニッシュしました。今シーズンよりパワーステージのポイント規則が変わり、選手に対してだけでなく、マニュファクチャラーに対してもボーナスの選手権ポイントが与えられることになりました。チームは1-2フィニッシュに加え、パワーステージでもトップ3を占めて最大得点を獲得したことにより、マニュファクチャラー選手権でトップに立ちました。チームにとっては申し分ない開幕戦となり、トミ・マキネンに替わり今季からチーム代表に就任したラトバラにとっても、最高の初戦となりました。

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元は、デイ3で総合6位へと順位を上げ、最終日はスピンを喫してタイムを失うもトリッキーなステージを全て走りきり、昨年大会の総合7位を上回る、WRC自己最高位の総合6位で今シーズン最初のラリーを戦い終えました。

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
チームを心から誇りに思います。何という素晴らしい結果でしょうか。この役職に就いて初めて挑んだラリーでいきなり1、2、4フィニッシュを飾り、貴元も6位に入りました。しかも、パワーステージでは最大のポイントを獲得したのですから信じられません。本当に素晴らしいチームと最高のドライバーたちです。ラリー開始直後から彼らは速く、その後セブは他を圧倒するようなステージタイムを何度も記録し、勝利を得ました。エルフィンはとても安定した走りを続け、週末を通してミスをしませんでした。また、カッレは今朝タイヤに不運なダメージを負って後退するまでは、表彰台争いに加わるチャンスがありました。それでも、総合4位は彼にとって良いスタートになったといえます。全体的に、最高の形でシーズンをスタートすることができたと思います。

セバスチャン・オジエ
完璧な形でシーズンをスタートすることができました。私は子供の頃にこのラリーを見て、いつかはドライバーになりたいと夢見ていました。もし、ひとつだけ記録を残せるとしたら、間違いなくこのラリーを選ぶでしょう。私にとってはとても意味のあるものですし、だからこそ、表彰台ではとても感情的になってしまったのです。この週末、ヤリスWRCは素晴らしく、フィーリングはとても良かったです。もう1年現役を続けるというのは、正しい決断だったと思います。チームは素晴らしく、全員に心から感謝しています。今朝の最初のステージでは驚きました。グリップが目まぐるしく変化し、一部はまるでブラックアイスのようになっていたので読み切れませんでした。我々のグラベルクルーはスタートの2時間前にステージを通過していたのですが、その時は何もなく、ほんの少し霜が降りていただけだったので、実際に走ってみて本当に驚きました。リードを保つのは簡単ではありませんし、特にこのラリーではそうですが、我々はやり遂げることができました。

エルフィン・エバンス
この週末を通してそうだったように、最終日も非常に難しいコンディションでした。セブは本当に素晴らしい走りをしていましたし、彼に勝負を挑み勝利を手にするほどは、十分にプッシュできていなかったように思います。このラリーはセブのホームイベントなので、常にタフな戦いを強いられてきましたが、彼を讃えたいと思います。チームとしては、素晴らしいスタートをきることができました。ポイントを獲得できたことには満足していますが、もちろん、より多くのポイントを獲得したいという気持ちは常にありますし、次回はさらに強くなっているはずです。この週末は、フィーリングがとても良かったとはいえません。1年の最初に、全てを失うリスクを冒してまで勝利を狙わないほうが良かったとは思いますが、もしタイトル争いに挑むのであれば、今年中にそのような戦いをする必要があるでしょう。とはいえ、自分はとても強いクルマとチームに支えられていると感じています。

TOYOTA


カッレ・ロバンペラ
今朝は本当に難しいコンディションでした。最初のステージは凍結していて大変でしたし、次のステージは路面に雪が多くありました。タイヤのダメージはちょっとアンラッキーでしたが、それもラリーでは起こり得ることです。最後のパワーステージではいいタイムが出ましたが、最大限にプッシュしていたわけではなかったので、ちょっと驚きました。少しだけペースを上げて走ったら、ポイントを獲得できたので良かったです。昨年はターマックで走る機会が少なかったので、全体的にはとても良い週末になりました。昨年のこのラリーよりもずっと速く、安定していたので、少しアンラッキーだったことを除けば良い戦いができたと思います。

TOYOTA


ラリー・モンテカルロ デイ4の結果
1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) 2h56m33.7s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン(トヨタ ヤリス WRC) +32.6s

3 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m13.5s
4 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +2m33.6s
5 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +3m14.2s
6 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +7m01.3s
7 アンドレアス・ミケルセン/オーラ・フローネ (シュコダ ファビア Rally2 Evo) +7m23.6s
8 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ WRC) +8m21.1s
9 アドリアン・フォルモー/ルノウ・ジャムール (フォード フィエスタ Rally2) +9m15.8s
10 エリック・カミリ/フランソワ-クサビエ・ブレジ (シトロエン C3 Rally2) +10m41.0s

次回のイベント情報
WRC次戦は、2月26日から28日にかけて開催されるWRC第2戦「アークティック・ラリー・フィンランド」です。本来第2戦はラリー・スウェーデンとなる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により中止となり、その代替イベントとして、同じくスノーラリーのアークティック・ラリー・フィンランドが初めてWRCのカレンダーに組み込まれました。このラリーはアークティック=北極圏という名の通り、フィンランド最北端の地域が舞台となり、ロバニエミを中心に開催される予定です。例年、1月から2月にかけては豊富な積雪があり、路面は雪と氷に覆われ、理想的なウインターコンディションが期待されます。



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