2021年WRC開幕戦ラリーモンテカルロでの結果を受けて、ヒュンダイのチーム代表、アンドレア・アダモは、何かしらの変更が必要であると感じているようだ。今季初戦を終え、マニュファクチャラーズ選手権ではトヨタにいきなり22ポイント差をつけられてしまっている。
今年もi20クーペWRCでフル参戦するオィット・タナックは、2020年モンテカルロではヒュンダイ移籍後の初戦で大クラッシュを喫していたが「その影響はない」とコメント。競技初日の木曜日2SSを終えた時点でトップに立っていたが、翌日には順位を落とすと、土曜日には2回のパンクでスペアタイヤがなくなりリタイアを喫することとなった。さらにその後、「正常に回転するタイヤが3つだけの状態」でリエゾンを走行したことが、WRC規定とFIAの国際スポーツコードに抵触しているとの裁定が下され、執行猶予つきながら、WRC1戦の出場停止処分を受けた。
同じくフル参戦のティエリー・ヌービルは、急遽決まった新コ・ドライバーのマルティン・ウィダグとの初戦で3位に食い込み、トヨタのポディウム独占を阻止したが、ダニ・ソルドは5位にとどまり「ペースが上がらなかった」ことを認めている。
ラリーフィニッシュ後、アダモは「今回のラリーは、ずっと同じような流れで終わってしまった。完全に間違っていたのは明らかだ」と語っている。
「人的なアプローチなのか、なんなのかは分からないが、今日はまた自分たちの限界を思い知らされてしまった。なんとか克服しなければならない課題に対応して前に進むだけで精一杯だったのは明らかで、そこからさらにプッシュできる状態ではなかった。この週末は、誇らしさや喜びを感じられる内容とは程遠いものだったので、いろいろなことを深く考え直さなくてはならない。アプローチの何かを変えなければならないと思っている」
ヒュンダイは、2月の第2戦アークティックラリー・フィンランド(グラベル&スノー)では、i20クーペWRCのサードカーにアイルランドのクレイグ・ブリーンを起用することを発表している。
(Graham Lister)