WRC開幕戦モンテカルロでは、SS1でテーム・スニネンのフォード・フィエスタWRCがクラッシュという最悪の滑り出しとなったMスポーツ・フォード。チーム代表、リチャード・ミルナーは「ポジティブな気持ちを持ち続けなくては」と語る。
ヒュンダイのオィット・タナックにも迫る速さでSS1をスタートしていたスニネンだったが、ウエットの右コーナーに足下をすくわれてスライドし、左側のバンクにヒット。激しい衝撃で転倒して道の反対側の崖に落ち、木に激突した。マシンのダメージが大きかったことから翌日以降の走行断念を余儀なくされ、スニネンの2021年開幕戦は、1SSも走り切らずに終わりを迎えた。
早すぎる結末はスニネンには大きな痛手となったが、Mスポーツ・フォードとしては相応の苦労の末にスタートにこぎつけていただけに、不甲斐ない結果となった。Mスポーツ・フォードは資金繰りに苦戦を強いられたうえに、英国のEU離脱の余波を受けて、新型コロナウイルス(COVID-19)の制限によりチームスタッフが英国からフランスに入国するために特別な許可を得なければならず、追加書類をいくつも準備しなくてはならなかった。
「テームは序盤の数kmではペースを見せていたし、スプリットのタイムを見た時はチーム内では大いに沸いた」とミルナー。
「しかし、その盛り上がりも長くは続かなかった。スタートを迎えるまでに本当に苦労を強いられただけに、こんな滑り出しは誰も望んではいなかった、しかしポジティブな気持ちは持ち続けなくてはならないし、とにかくペースは出ていたということを心に刻まなくてはならない。チームには申し訳ないという気持ちしかない。この4週間、本当に苦労したしテストに4日間を費やしたのに、その結果がこれだ」
スニネンは、モンテでのクラッシュを挽回するために、2月の第2戦アークティック・ラリーフィンランドへの参戦を計画している。
(Graham Lister)