WRCアークティックがルートを公開、冬用サバイバルキットの車載義務づけ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCアークティックがルートを公開、冬用サバイバルキットの車載義務づけ

©AKK Sports Oy

WRC第2戦として行われるアークティック・ラリーフィンランド(2月26〜28日、グラベル&スノー)がラリールートを公開した。計10SSの合計ステージ走行距離は251.08kmとなる。

フィンランド北部、北極圏にも近いロバニエミを拠点とするこのイベントがWRCとして開催されるのは、これが初めて。キャンセルとなったラリースウェーデンの代替として開催されるアークティック・ラリーフィンランドの開催地は、氷点下20度まで気温が下がることもあり、スノー&アイスに恵まれたフルウインターコンディションでの高速ステージが期待される。

主催者のAKKスポーツは、フィンランドとしては初のWRCウインターラリー開催が18日前に決まってから、ルートを作り上げるために全力で作業に取り組んできたという。クラーク・オブ・ザ・コースを務めるカリ・ヌーティネンは、世界のトップドライバーを待ち受けるルートに自信を見せている。
「アークティック・ラリーフィンランドは、絶好の舞台で繰り広げられるウインターモータースポーツ。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染防止に万全の対策をとったうえで、素晴らしくチャレンジングでコンパクトなラリーを開催できることが待ち切れない」と語る。

「ラリーウイークの気温はマイナス6〜14度程度になると見られているが、マイナス20度まで冷え込むこともある。そして雪も豊富。ラップランドの人々は“ホワイトゴールド”と呼んでいる。ウインターラリーとして完璧なコンディションだ。ステージは、フィンランド選手権のアークティックラップランドラリーとそれほど違いはないが、WRCのフォーマットに合わせていくつかのステージは短縮している。そのほか、逆方向に設定することでステージのレベルを多彩にしている」

フィンランド選手権のアークティック・ラップランドラリーは1月に終了しているが、WRCではこのラリーのステージを部分的に活用。サービスパークは、ロバニエミのスポーツ施設、サンタスポーツに設置される。

イベントは2月26日(金)に開幕。朝8時半からロバニエミに設定される5.69kmのステージでシェイクダウンを行った後、午後には31.05kmのSarriojarviを2回走行する。ヌーティネンはこのステージを「北極圏で、最も美しい道かもしれない」と絶賛する。
「ドライバーも気に入ってくれるようリズミカルなセクションがあり、2回目の走行は夜間になる。イベント最長のステージで、超ナローなセクションやオーバークレストのコーナーも多い。コース作成中は、雪壁は1mの高さがあった」

27日(土)のデイ2は、3SSを2ループする6SSの構成。ロバニエミ近郊のコンパクトなルートで、この日の最終ステージは夜間の走行となる。
ヌーティネンは「土曜日は24.43kmのMustalampi(SS3/SS6)で始まり、表面が凍った沼地を通過する部分がある。フィンランドのドライバーにはおなじみのステージ、Jyrhamajarviのセクションも使われる。終盤は、ドライバーのトレーニングエリアを通過する豪快なセクションだ。Kaihuavaara(SS4/SS7)は19.91km。大会中は、世界に向けてのテレビ生中継を3回行うが、そのうちの1本だ。非常に速度域が高く起伏が激しいうえにナローなセクションもある。Siikakama(SS5/8)は、ロバニエミ周辺のいわゆる林道。国内戦では27.68kmの設定としたが、WRCでは15km短縮して使用する」と説明する。

28日の最終日は、ロバニエミ南部の22.47kmのAittajärviを2回走行。2回目はパワーステージに指定されている。
ヌーティネンによれば「ラップランド伝統のステージで、ニエメラの農地を通過するセクションがある。ほかのどのステージとも比較することはできないので、ぜひその目で確かめてほしい」という。

極寒のコンディションで開催されるアークティックでは、イベントの特別規則書に冬用の「サバイバルキット」を車載することを義務づけている。キットにはショベル2本と防寒着も含まれており、ラリー車がコースオフして雪でスタックした場合に備えてのものだという。(COVID-19の感染防止対策の観点から無観客で開催されるため)このサバイバルキットはまさに「生命線」となりそうだ。

AKK Sports Oy



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