フォルクスワーゲン・モータースポーツは、3年間にわたるID.Rによる電動スポーツマシンのプロジェクトを完了したことを発表した。ID.Rは、3大陸で完全電動によるマシンのモータースポーツ活動を展開して様々な記録を樹立。モータースポーツの歴史に電動技術のパイオニアとしての歴史を刻んだとしている。
フォルクスワーゲンは2018年に、わずか250日間の開発で史上初の完全電動レーシングカーを実戦に参戦できる状態にまで持ち込み、米国で開催されたパイクスピーク・インターナショナルヒルクライムで電動マシンクラスの新記録をマークした。その後、計815日にわたって500kW(680馬力)を発生するこの電動レーシングマシンは5つの記録を更新し、フォルクスワーゲンが量産モデルのIDシリーズを公道に送り出した電動車両の能力を裏付けることとなった。
フォルクスワーゲン・モータースポーツは、デジタル冊子「Record-racer ID.R – Pioneer of the ID. family」をインターネット上で公開。36ページにわたってフォルクスワーゲン・モータースポーツがID.Rのサクセスストーリーを振り返っている。この中では、電気自動車におけるフォルクスワーゲンの技術的能力を、レースへの情熱や魅力と結びつけたIDシリーズの代表であるフル電動レーシングカー、ID.Rを洞察するとともに、その背景を伝えている。同時にフォルクスワーゲン・モータースポーツは、ID.Rを通じてIDシリーズの先駆的な作業を行ったとし、モータースポーツの知識を量産車に活用するために限界まで押し上げ、物理的な限界をテストしてきたとも伝えている。