2021年の全日本ラリー選手権第2戦、新城ラリーがいよいよ明日から始まる。トップカテゴリーであるJN1クラスにおいて、GRヤリスとシュコダ・ファビアR5の参戦が大きな話題を呼んでいるが、これら新勢力に立ち向かう新井敏弘・大輝のふたりに意気込みを聞いた。
──開幕戦の意気込みを聞かせてください
大輝:正直、戦闘力という面では圧倒的に速いクルマが2台いるじゃないですか。GRヤリスは戦闘力を測りかねているので分からないですが、それらのクルマがどれだけ速いのかはSS1~2が終われば分かると思うので、そのなかで自分が無理しないで戦えるところを冷静に分析できる能力が必要なのかなと。そこをちゃんと見極めないとクルマが何台あっても足りないので。去年までは去年までということで、今年は勢力図が変わるので正直どうなるか分からないですね。
敏弘:フタ開けてみないと分からないな。とりあえず今は重箱の隅をつつきながら色々としてるけど、あんまり大きくは変えられないからさ。去年の唐津からプラスアルファっていうところかな。キロ0.2秒とか0.3秒とか上がるようなものはない。
──重箱の隅をつつくというのは、主にサスペンションなどですか。
敏弘:サスペンションよりも、エンジンだったりとか軽量化だったりとかかな。軽量化でも最低重量は決まっちゃってるから、重たいものを真ん中に持ってきたりとか。
──まだそういう余地がある?
敏弘:あるよ。ウチのはクルマまだそんなにしてなかったからね。
──勝田範彦選手のGRヤリスの仕上がりがいいというウワサも聞きますが、どうでしょう。
敏弘:雁峰(※SS5/7 雁峰北。ワインディング主体の林道)あたりはGRヤリスが速いだろうね。
──勝負をかけるとしたら鬼久保(※SS2/4/6/8 鬼久保。2車線の観光道路を使用したハイスピードコース)ですか?
敏弘:鬼久保もあんまり差が出ないんだよ。あそこはヌタ(奴田原文雄)が速いからさ。今回はランサーがいないからその分いいけど、でも分かんねえな。
大輝:できればもうちょっと色々なステージがあればと思いますね。例えば順走だけじゃなくて逆走も入れてくれたりすると、もう少しラリーとしての組み立てが面白くなる領域かなと。若い人や新しい人が入ってくるのであれば、最低でも同じコースは2回ループが限度で、他を全部新しいステージとか逆走にしてしまえばいいと思うんですけどね。
──スバルファンに向けてひと言お願いします。
敏弘:GRヤリスに負けないように頑張るしかないんだけど、GRヤリスもシュコダもいるから、例年のようにはいかないだろうね。そのあたりをどのくらい頑張れるかかな。ちょっと真面目にやります。
──新井選手としては油断はしていないと。
敏弘:してない、してない。油断できるほど余裕がないわ。例年だったらけっこう油断してるけど(笑)。油断ができません。
──開幕新城、続いて唐津と、GRヤリスの勝田選手が得意なラリーが続きますが、そのあたりはどうですか。
敏弘:やるしかねえよな。秘策があるわけじゃないし。
──大輝選手はどうですか?
大輝:去年のチャンピオンというプレッシャーはあんまり考えてなくて。あんまりスタンスは変わらないですね。ただ単純にその時の戦力であったりパフォーマンスだったりバランスを見て、何がベストかを判断できれば一番いいと思っているんで。変に届かないところに届こうとするよりは、届かないんならそこをどう改善するかっていう面の方が効いてくると思っています。
今年は海外ラリーにも戻りたいなって気持ちもありますし、近々プランも言えるようになるんじゃないかなと思います。今年もまたチャレンジャーとして外に出ます。じゃないと何も夢がないですもんね。自分自身のモチベーションのためにも海外に出たいと思います。