トヨタWRCチーム代表就任から3カ月のラトバラ「広い視野でラリーを見ることができる」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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トヨタWRCチーム代表就任から3カ月のラトバラ「広い視野でラリーを見ることができる」

©TOYOTA

今季、予定されていたラリーチリの代替としてWRCとしての復活を遂げるアクロポリス・ラリーギリシャ。トヨタのチーム代表として初めてこのシリーズ伝統のラフイベントを迎えるヤリ‐マティ・ラトバラに、シーズンのここまでの進捗を聞いた。

Q:アクロポリスがWRCとして開催されることを聞いた時の反応は。2013年には自身が優勝を飾ったイベントだ。
ヤリ‐マティ・ラトバラ(以下J-ML):
自分としては、アクロポリスがWRCに復帰するのは素晴らしいこと。長い歴史のある伝統のイベントだし、WRCとしても長く開催されてきた。最もタフでハードなイベントのひとつだったし、ほかとは違うイベントだ。シリーズでは、こうした独特のイベントを戦いたいので、とても興味深い。

Naoki Kobayashi

Q:WRCの次戦はクロアチアで、WRCとしては初開催だ。チームとして、どのように準備を進めているのか
J-ML:
4月にはテストも行う。ヒュンダイはドライバーたちに感触をつかませるために小さなイベントに参戦しているが、我々はしっかりテストをすることに専念して、小さなイベントには一切参戦しない。それでも、ドライバーたちが必要としている感触を得ることができるという自信を持っている。新しいイベントに挑むのは素晴らしいことだし、コルシカのようなテクニカルなイベントではない、かなり高速なラリーでリズムに乗れるラリーだと理解しているので、ドライバーにとっても、非常に楽しめるだろう。

Q:クロアチアではマシンに何か新しいことを行うのか
J-ML:
特にない。今年初めてのフルターマックラリーだ。最も重要な部分は、プロパーなターマックタイヤで走ることだ。モンテでは少し経験することができたが、まだハードコンパウンドでは走っていないので、テストではまだ新しいことが見つかると思うし、タイヤや最も重要な要素だ。

Q:4人のドライバー全員が、1日ずつテストを行うというのがプランか。
J-ML:
そのとおり。その計画だ。

Q:カッレ・ロバンペラは選手権リーダーとしてクロアチアを迎えるので、走行順が先頭となる。彼のような若手ドライバーにとって、そのようなポジションを担うのはどのようなことなのか。
J-ML:
選手権の首位に立つということは、彼にとって刺激にもなる。先頭スタートはプレッシャーを感じるだろうと考えるかもしれないが、彼は冷静で落ち着いて臨めると感じているし、難しい状況のなかでもプレッシャーをコントロールできる。彼にとっては経験したことのない状況だが、自分はとてもポジティブに捉えている。彼は、それに臨む準備ができている。もちろん、カッレはまだ若いし経験を積むことも必要なので、タフな試練が待っていることも承知だ。しかし、基本的には、彼がどのようにラリーを組み立てていけるかを知る素晴らしい機会になるし、ターマックなら誰かが掃いた砂利を心配する必要はないんだからね。

TOYOTA

Q:チーム代表に就任して3カ月になるが、どれくらいチャレンジングか。この役目を楽しんでいるか。
J-ML:
正直、この仕事は好きだね。コックピットの外から、ラリーとは何かを知るのはとてもいいものだ。ロバニエミでは苦しい局面もあった。天気がとてもよかったし、自分はウインターラリーが好きだから、コンディションは完璧だったし、自分もドライブしたかったから、それは辛かった。でも、だからこそ、ヒストリックラリーでは自分も走ってもいいことをトヨタにも承認してもらっているし、自分がほかのドライバーが走っているのを見ても自分は満足できる。それこそ自分がしたかったこと。ドライバーなら、だれでも自分の仕事に専念するが、いまの自分は、デザイナー、エンジニア、メカニックたちの様子はどうか、たくさんの人々を見る立場だ。誰かひとりでも、違う方向に進んでしまえば、その影響が大きくなってしまうことにもなりかねない。ドライバーだった時は、自分が走る時にはマシンの準備ができていたから、そんなことを考えたことはなかった。今では、マシンを走らせ、すべてを順調に進ませることがどれほど大きな仕事なのか、気づかされた。たくさんの作業が同時進行しているので、目を大きく見開いているよ。

TOYOTA

Q:モンテカルロでは優勝を飾ったが、アークティックでのリザルトは望んでいたような内容ではなかった。この件で自分の見方は変わったか、これが本当にタフな仕事だということに気付かされることになったか。
J-ML:もちろん、アークティックは自分の母国で開催されたイベントだったし、優勝を期待していたが、誰にも予想できることではない。自分たちの母国だからといって強いだろうと期待をしてしまったら、次は勝てないということになる。自分たちは、常に努力を続け、作業に取り組み続けるしかない。(アークティック向けの)テストは、理想的な状況ではなかった。テストはとても気温が低かったが、ラリーは暖かくなってしまったので、気温が低いことを想定したセッティングがミスとなり、温暖なコンディションでは理想的な動きができなくなってしまったのだと思う。まさに、自分たちは常に努力を続けなくてはならないということを示した瞬間で、勝ちたければそれを続けるしかないということ。前回が強かったからといって期待をしてはいけない。それでは成功を収めることはできないんだ。
(Graham Lister)

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