2021年シーズン全日本ラリー選手権第3戦「Sammy ツール・ド・九州2021 in 唐津」の初日が4月10日(土)に4カ所のスペシャルステージを舞台に行われ、奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)が、福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)に1.4秒差をつけてトップに立った。奴田原から1.5秒差の3番手には、勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)がつけている。
オープニングステージのSS1でベストタイムを記録したのは、前戦新城を制した新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)。幸先良いスタートを切ったものの、新井は続くSS2で、スピンから土手にヒットし20秒近くのタイムロス。このステージでベストの勝田が奴田原に1.2秒差をつけて首位に浮上する。
サービスを挟まずSS1の再走となるSS3、福永に続くセカンドベストを刻んだ奴田原が、勝田を捉えて首位に浮上。この日を締めくくるSS4では、奴田原が今回初ベストをたたき出し、トップで初日を終えた。しかし、その1.4秒差に福永、1.5秒差に勝田がピタリとつけている。
自身が立ち上げた新チーム、さらにニューマシンのGRヤリスでのデビュー戦にもかかわらず、上々の初日となった奴田原は、「速いとは思っていましたが、上出来です。あらためて、GRヤリスのポテンシャルが高さを感じました。エボよりもかなり楽に走れています。明日は周りもペースを上げてくるでしょうし、このクルマのためにメカも徹夜で仕上げてくれたので、頑張らないといけないですね」と、笑顔を見せた。
2番手に付けた福永は「SS2ではパンクしていたんですが、気を使いながら、そのまま走ってSS後に交換しました。想定以上にGRヤリスが速くてびっくりしています」と、奴田原と勝田のスピードに驚きを隠さない。
新城はSS1すらも走り切れなかった勝田だったが、今回はSS2でGRヤリスでの初ベスト。首位の奴田原に1.5秒差と、最高のポジションで初日を走り切った。
「SS3はタイヤが冷えている段階で、思い切りコースオフしかけて、それでちょっと心が折れてしまいました(笑)。ちょっと気合を入れすぎてしまいましたね。まだ明日がありますし、気を抜かずにいきたいです」と、慎重に語っている。