今夏のグラベル連戦に先駆けて、ピレリはトヨタとルーズ路面用の初テストを実施、内容に満足を見せた。
ピレリが今回スペインで初テストを行ったのは、スコーピオンKX H(ハードコンパウンド)とKX S(ソフトコンパウンド)。ドライバーはセバスチャン・オジエとユホ・ハンニネンが務めた。
ピレリのラリーマネージャー、テレンツィオ・テストーニは「両ドライバーとも、タイヤの感触にはかなり満足していた」とコメント。
「パンクもなく、大きな石にヒットさせてパンクをさせることも試みた」
このテストでは、気温は15〜20度のコンディションで走行を行ったという。
「コンディションは、ハードタイヤにとっては完璧ではなかったかもしれない」とテストーニ。
「しかし、我々は1セットのタイヤで110kmのループを走り切った。KX Hの耐久性は把握しているし、開発段階では、気温40〜50度の中、もっとラフで摩耗の激しい道で走行を行っていた。これは我々の戦略で、極度に厳しい環境の中でテストをした」
トヨタのテクニカルディレクター、トム・ファウラーも、テストの内容に満足を見せた。
「タイヤマニュファクチャラーにとって、そう簡単なことではない」とファウラー。
「酷暑のアクロポリスから始まり、様々な路面のイベントが続く。今年は開催されないかもしれないが、ウエールズのようなウエットでスリッパリーな路面になることだってあるんだ。そして、彼らはこの両極端の路面に、ふたつのコンパウンドだけで対応させようとしているんだ。かなりの差を埋めなくてはならない大仕事だよ」
WRCは第4戦ラリーポルトガル(5月20〜23日)から、イタリア(6月3〜6日)、ケニア(6月24〜27日)、エストニア(7月15〜18日)、フィンランド(7月29日〜8月1日)とグラベルが5戦続くほか、開催中止となったチリの代替として、シリーズ屈指のラフグラベルで悪路とも呼ばれるアクロポリス・ラリーギリシャを9月9〜12日に控えている。