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WRCポルトガル事前情報:今季初のグラベルラリーは2年ぶりの開催

©Toyota Gazoo Racing WRC

2021年WRCは、第4戦ラリーポルトガル(5月20〜23日)で今年初めてのグラベルラリーを迎える。

昨年は新型コロナウイルスの感染流行により開催が中止、前回の開催は2019年に遡るが、ポルト近郊のマトジニョスを拠点とするこのイベントはカレンダーでも最も人気の高い一戦。高速路とテクニカルな道が盛り込まれ、路面はソフトでサンディだが2回目の走行では石が出てきたり轍が深く掘られたりすることも頻繁に起こる。

前戦クロアチアで優勝を飾りドライバーズ選手権で首位に立ったトヨタのセバスチャン・オジエは、ポルトガルでの最多優勝記録(フィンランドのマルク・アレンと並ぶ過去5回)を保持している。そのオジエに8ポイント差で続くのは、ヒュンダイのティエリー・ヌービル。さらに2ポイントの僅差でトヨタのエルフィン・エバンスが続いている。前回開催の2019年にポルトガルを制したオィット・タナックは、首位から21ポイント差の4番手、5番手のカッレ・ロバンペラもそこからわずか1ポイント差で浮上を狙う。

ヒュンダイはi20クーペWRCのサードカーに、ダニ・ソルドをノミネート。新コ・ドライバー、ボルハ・ロザダとの初WRC参戦となる。Mスポーツ・フォードはガス・グリーンスミスとアドリアン・フルモーのふたりがフォード・フィエスタWRCをドライブする。そのほかWRカーでの参戦には、4台目のトヨタ・ヤリスWRCをドライブする勝田貴元。ヒュンダイ2Cコンペティションのピエール・ルイ・ルーベは、今回から新しいコ・ドライバーのフローリアン・オー・ラブルデットを迎える。

今季は激戦となっているWRC2部門は、選手権リーダーのアンドレアス・ミケルセンが新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たことから欠場を発表。エサペッカ・ラッピ(モビスポーツ、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)、マッズ・オストベルグ(TRT、シトロエンC3ラリー2)、テーム・スニネン(Mスポーツ・フォード、フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)と強豪が上位を狙う。ヒュンダイ・モータースポーツNは、19歳のオリバー・ソルベルグとオーレ・クリスチャン・ベイビーをエントリー。若手のマルコ・ブラシア(トク・スポーツ、ファビア・ラリー2 Evo)、ニコライ・グリアジン(モビスポーツ、ポロGTI R5)、トム・クリステンソン(Mスポーツ・フォード、フィエスタ・ラリー2 MkII)も、今季初のグラベルラリーに挑む。さらにエリック・カミリ(スポーツ&ユー、C3ラリー2)、マルティン・プロコップ(Mスポーツ・フォード、フィエスタ・ラリー2)、ゲオルグ・リンナマエ(ALMモータースポーツ、C3ラリー2)もリストに名を連ねている。

ポルトガルにエントリーした計81台中、WRC3部門は多彩な国々から25台がエントリーしている。ポイントリーダーのヨアン・ロッセルはフランス、クロアチアを制したカエタン・カエタノビッチはポーランド、スペインのヤン・ソランスとペペ・ロペス、チリのアルベルト・ヘラーとエミリオ・フェルナンデス、さらにアイルランドのジョシュ・マクリーンは今季初参戦だ。地元ポルトガルからは11台がこの部門にエントリーしており、地元のスタードライバー、アルミンド・アラウジョ、ブルーノ・マガラエスに加え、熱狂的なラリーファンでサッカーのチェルシーやトッテナムでマネージャーを歴任した異色の経歴を持つアンドレ・ビラス・ボアスの出場も話題になっている。

フォード・フィエスタ・ラリー4のワンメイクシリーズ、JWRCはこのポルトガルが第2戦となる。クロアチアでの開幕戦を制した英国のジョン・アームストロングをはじめ、8台がエントリー。9ポイント差で続くのはマルティン・セスク、フィンランドのサミ・パヤリもさらに1ポイント差という僅差で続いている。

■ラリールート
今回のポルトガルには計20SS、337.51kmのステージが設定。今季ここまででは、最も距離の長いラリーとなる。5月20日木曜日の午前にシェイクダウンを行った後、クルーはコインブラでセレモニアルスタートを行い、21金曜日から競技が開始。この日は、2019年からポルトガルに復帰したアルガニルに集中しており、3SSを、日中サービスを挟んで2ループ。この後、20年ぶりの設定というモルタグア、ロウサダのスーパーSSでこの日は締めくくられる。22日土曜日は、ポルト北東部のカブレイラ山脈を中心に走行。3SSを2ループした後、ポルト近郊に新設された市街地ステージを走行する。最終日の日曜日は5SSでの構成。フェルグイエラスと、大ジャンプで人気のファフェは2回ずつ走行。ファフェの2回目の走行は、パワーステージに指定されている。

TOYOTA

■ラリーデータ
開催日:2021年5月20-23日
サービスパーク設置場所:マトジニョス
総走行距離:1514.07km
総ステージ走行距離:337.51km(SS比率22.29%)
総SS数:20

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
セバスチャン・オジエ (#1)
エルフィン・エバンス (#33)
カッレ・ロバンペラ (#69)

[ヒュンダイ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
ダニ・ソルド(#6)

[Mスポーツ・フォードWRT]
アドリアン・フルモー(#16)
ガス・グリーンスミス(#44)



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