今週のWRCラリーポルトガルには、グラベル用のピレリ・スコーピオンKX WRCが初めて投入される。英国出身のエルフィン・エバンス(トヨタ)とガス・グリーンスミス(Mスポーツ・フォード)は、ピレリから供給されるソフトコンパウンドタイヤが少ないことに強い懸念を示した。
シェイクダウンを除いたラリー中に使用できる最大タイヤ本数は24本だが、ピレリはこのラリーポルトガルに、温暖でドライコンディションに向いているスコーピオンKX WRCのハードコンパウンドをメインの選択肢と捉え、1台につき24本を供給。しかし、雨や冷涼なコンディション向きのソフトコンパウンドが用意される本数は8本のみとなっている。
独自の取材によれば、ラリー開催中の気温は20度前後に留まる見込み。しかし、週末は霧雨の可能性も予報されている。
「ソフトが8本しか用意されていないので、このようなコンディションの中でタイヤの1セットをどのように組み合わせるかを考えるのは、非常に難しい。でも、チームの方では、適切な選択ができるための情報が得られるはずだ」とエバンス。
一方、グリーンスミスは「気温が低ければ、8本しかないソフトコンパウンドを使うことになる可能性が高いだろう。だから、かなり慎重に計画を立てなくてはならない」
(Graham Lister)