WRCエストニア、シェイクダウン後に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。昨年、母国での初開催を圧勝で飾ったオィット・タナック。今季、北部に新設されたステージは自身も走行経験がないと言い、地元の利も通用しないということを強調した。
●WRCプレイベントカンファレンス出席者
エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
オィット・タナック=OT(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
テーム・スニネン=TS(Mスポーツ・フォードWRT)
Q:オィット、昨年は圧勝を飾った。ステージは前回からの変更が多いが、今年のルートについてどう見るか
OT:幸い、夏の開催で小雨が降ることもあるが、できるだけ少ないことを祈るよ。このような道では、いい状態を保っていてほしいし、昨年はそれがあまりなくてラフになった。今年はもっとスムーズなので、いっそう楽しめるはずだ。北部の新ステージはかなりチャレンジングで、ラリーエストニアでは走ったことがないので、楽しみだ。
Q: どういう意味でチャレンジングなのか
OT:伝統的なステージとは違い、新しく、走ったことのないステージだ。すべてが新しいステージでは、新たに経験しなくてはならない部分があるものだ。表面が新しい特別な路面なので、それがどんな感じになるのか判断しなくてはならない、といったことだ。初めての超高速ステージを走るのは、かなりエキサイティングなものだよ。
Q:エルフィン、 ヤリ‐マティ(ラトバラ、トヨタチーム代表)は、昨年のエストニアではヒュンダイが1-2フィニッシュ、トヨタはペースはあったがヒュンダイには及ばなかったことに言及していた。テストでのフィーリングはどうだったか。今年はいい感じに仕上がったと手応えはあるか
EE:もちろん、そうであってほしいね。テストではいい方向に変更ができたし、かなり満足な形でテストを終えられたと思う。ペースがどうかは実際にラリーが始まってみなくては分からないが、全体として、昨年に比べると今年の自分たちのマシンにはより満足感を感じているし、正直ラリーを楽しみにしているよ。
Q:今年、ピレリのタイヤはソフトをメインに選択されているが、気温が非常に高く、ほかのイベントよりもソフトで砂の多いラリーなので、ハードを温存することになるのか?
EE:確かに、ここは非常に暑いし、路面はとてもサンディだ。ハードタイヤをセーブするような状況にはならないと思うが、だからといって完全にハードを選択肢から外すというわけでもない。本数にはなんの問題もないと思う。ここでの供給配分は順当だろう。
Q:オィットにもタイヤに関して、今回はハードコンパウンドの戦略が面白いことになりそうだ。ここでの経験は一番あると思うが、何か考えはあるか
OT:エルフィンと同じ本数を供給されているし、ハードを完全に外すというわけでもない。それ以外、言うことがあるかな。
Q:このタイヤでテストを行っているので、ステージがどんな感じか、ソフトが耐え切れない可能性はないか、多少分かるのでは
OT:今回のラリーで走る路面では、テストができていない。独自に作られた路面なので、分からない。実戦で確かめるしかない。
Q:テーム、再びWRカーでの参戦だ。今朝のシェイクダウンでのクルマのフィーリングはどうだったか?
TS:ハンドリングはすごくいい感じだった。ここ数年は高速ラリーはあまり得意ではなかったが、少し前進できたように思うので、 すごくポジティブな気持ちでいる。1日半ではマシンを完全に変えることはできないとしても、一歩ずつ前進することは常に良いことだと捉えている。
Q:今回のドライブには来季の動向がかかっていること、また良い結果を出さなければならないというプレッシャーについて実感しているか、それともすでに実証できていると考えているか
TS:もちろんハイスピードラリーでは自分のペースを発揮している。以前の高速ラリーでの出来事にとらわれたくはないので、プレッシャーについてはあまり考えないようにしている。自分自身に集中してベストを尽くし、それは報われることを願っているよ。
記者席からの質問
Q:ガンナー・レヘステ(デルフィ、エストニア)
エストニアの新しいステージについてはどう思うか。特にパワーステージについては
OT:正直、土曜日の新しいステージはすごくいいと思う。南側にある短いステージは垂直方向への要求が高く、 まさにエストニアの森らしいコースだと思う。パワーステージは正反対だから非常に残念だ。 パワーステージが最も視聴率が高いのに、エストニアらしさがまったく感じられない。イメージが違うだけかもしれないが、ほかのステージの方がいいと思うね。
EE:一般的にこれまでよりテクニカルで幅も狭く、ブラインドになる部分が多いと思う。僕らが慣れ親しんでいるコースと比べてね。 それほど速くないかもしれないし、真新しいノートで走るのは間違いなくチャレンジになるだろうし、道路の両サイドの背丈の高い草も難点になるだろう。パワーステージはラリーエストニアのイメージとかけ離れている。速度が相当低いし、イン側をカットできないように大きな石がある。路面もかなり柔らかいようだし、パワーステージに入る頃には、 かなり掘られているだろうと予想している。