WRCエストニアのWRC2はアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が優勝を飾った。
金曜日の午前は現王者のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)を追う形だったミケルセンだが、オストベルグがパンクで30秒以上をロスし首位に浮上。翌日、オストベルグは猛烈な勢いで巻き返しを図り、一時はミケルセンのアドバンテージを11.3秒にまで詰めていった。しかし再びタイヤにダメージを抱えてしまい、苦境に追い込まれる。
一方のミケルセンは25.9秒のギャップを持って最終日をスタート。しかし、この日最初のステージでオストベルグが7.3秒詰めてきた。この週末はたびたび不運に見舞われながらも、オストベルグは最終的には2位に食い込んでフィニッシュを果たしている。
しかしそのオストベルグはブレーキパイプが破裂するトラブルにも見舞われており、これでペースをコントロールする余裕ができたミケルセンは16.7秒差で選手権優勝。選手権争いでも、11ポイント差をつけての首位に立った。
「まず、このマシンを与えてくれたトク・スポーツとシュコダに心から感謝したい。この週末、文句なしに完璧だった」と語るミケルセンがポディウムの頂点に上がったのは、1月のラリーモンテカルロ以来。
「今回はしっかり準備を整えてやってきたので、それにふさわしいリザルトをチームに贈ることができて本当にうれしい。全力を尽くしたよ」
同じくファビア・ラリー2 Evoのマルコ・ブラシアがオストベルグに11.9秒差の3位でフィニッシュ。ボリビア出身のブラシアは、この週末、最もステージウインをマークしており、アドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)と激戦を展開した。フルモーはブラシアと何度も順位を入れ替える接戦を展開したが、最終2本目のステージでコースオフしたことで万事休す。最終的に、ブラシアに27.5秒遅れでのフィニッシュとなった。
トム・クリステンソンは、今季初めてノートラブルでラリーを走り切り、フルモーから4分4秒3遅れでフィニッシュ。エストニアの若手、ゲオルグ・リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は、トップから7分遅れて母国戦を走り切った。
一方、ミスが許される余地のないエストニアの高速ステージでは、部門トップドライバーのリタイアも相次いだ。オリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 R5)は、SS4の着地でマシンを強打し、エンジンにダメージ。このステージでは現WRC3王者のヤリ・フッツネン(i20 R5)も転倒を喫している。シーン・ジョンストン(C3ラリー2)も金曜日の午後に転倒。ニコライ・グリアジン(ポロGTI R5)は、SS13で転倒し屋根から着地。ポディウムを逃している。
WRCエストニア WRC2部門最終結果
1 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) 3:01:59.0
2 M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +16.7
3 M.ブラシア(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)+28.6
4 A.フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +56.1
5 T.クリステンソン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +5:00.4
6 G.リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +7:08.4