2021年の世界RXがカタルーニャで開幕、ケビン・ハンセンが快勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

2021年の世界RXがカタルーニャで開幕、ケビン・ハンセンが快勝

©Rallycross Promoter

2021年世界ラリークロス選手権がスペインのサーキット・デ・バルセロナ-カタルーニャで開幕。7月24日にファイナルが行われ、ケビン・ハンセン(プジョー208)が優勝を飾った。

スウェーデンのハンセン一家が運営するハンセン・ワールドRXチームから参戦するハンセン兄弟の弟、ケビン。これまでにも世界RXで勝利をマークしたことはあったが、2019年のアブダビでマークしたこの勝利は、トップフィニッシュのドライバーにペナルティが科せられたことによって繰り上がってのものだった。しかし、今回は勢いのあるパフォーマンスでレースを制した。

この週末を通して、同じくプジョー208を駆る兄のティミー・ハンセンに一歩及ばなかったケビンだが、中間リザルトを終えた時点で、ティミーとケビンがチーム1‐2体制。そして、その時はファイナルで訪れた。それも、世界RXタイトルを3回獲得している第一人者、ヨハン・クリストファーソンを制しての快挙だった。

クリストファーソンは、現王者として今季はKYB EKS JCからマシンをアウディS1にスイッチしての参戦。しかし、前日のQ1では、データロガーが接続されていなかったことが判明し失格裁定、まさかの15番手発進となっていた。それでも予選の残り3本をすべてトップタイムで並べたクリストファーソンは、中間リザルトでは6番手にまで挽回した。

激戦はまずセミファイナルから始まった。残り2ラップ、先行するケビンにクリストファーソンが何度もパスをしかけるが、これを抑え切ったケビンがトップフィニッシュ。セミファイナル1本目ではティミーがトップ通過を果たしており、ファイナルではフロントロウにハンセン兄弟が並んだ。

ファイナルでは、スタートで3番手に浮上したクリストファーソンが早々にジョーカーラップに入りハンセン兄弟の前に出る戦略を試みるが、同時にジョーカーラップに入ったティミーに行く手を阻まれてしまう。ジョーカーラップを出た2台は、クリスチャン・サボの後ろで本線に合流し、ここで遅れを取ってしまう。その間に一気に後続を引き離しにかかったケビンは、ラップ4でジョーカーラップに入った後もティミー、クリストファーソンとの差を維持し、そのままトップフィニッシュ。ティミーもクリストファーソンからのプレッシャーを退け、チームが1‐2フィニッシュと、完璧な形でシーズンを滑り出した。

「すごく大きな意味を持つ勝利。自分にとって、初めて競り勝って得た世界RX勝利だ」と喜びを見せるケビン。
「本当に長い間、この時を待っていたから、とてもうれしい。シーズン前のテストで自分たちのマシンが素晴らしいことは分かっていたしレースまで必死に取り組んできたので、それが報われた。今回もヨハンは大きな壁だったし必死に挑まなくてはならなかったが、自分に巡ってきたチャンスをしっかりものにした。セミファイナルで彼の前をキープできたことが、間違いなく鍵になった」

Rallycross Promoter

「ポディウムに立って左右を見たら、ふたり合わせて世界タイトルを4回獲ったドライバーが並んでいた。そのふたりに勝ったと思う気分は本当にクールだった。本当に信じられない形でシーズンを滑り出すことができた。世界選手権をリードするのは初めてではないが、今年は予想もしていなかったよ」

一方、タイトル防衛のシーズンを勝利で飾れなかったクリストファーソンだったが、持ち前のペースは存分に発揮。今季も目の離せない存在であることを証明した。サボが4位。チームメイトのニクラス・グロンホルムは、セミファイナル2の序盤でコースオフを喫した分の活躍を見せた。

ALL-INKL.COMミュニッヒ・モータースポーツから参戦するレネ・ミュニッヒ(セアト・イビザ)は、初めて進出した世界RXファイナルで5位。チームメイトのティモ・シャイダーは、中間リザルトで3番手につけていたが、セミファイナルの開幕ラップでバリアに突っ込みファイナル進出を逃している。自身初の世界RXフル参戦シーズンに乗り出したUNKORRUPTEDのケビン・アッブリング(ルノー・メガーヌRS)は、6位フィニッシュだった。

一方、このカタルーニャでは、新しいサポートシリーズ、フル電動マシンによるRX2eが開幕。スペインの電動車両スペシャリスト、QEVテクノロジースとラリークロスの名門ワークショップ、スウェーデンのOMSEの共同プロジェクトとなるこのシリーズの歴史的最初の一戦では、ベルギーのギヨーム・デ・リダーが全レースでトップタイムをマークして優勝を飾り、記念すべきシリーズ初のウイナーとなった。

Rallycross Promoter

Rallycross Promoter

世界RXの次戦は、予定されていたニュルブルクリンクでの開催が延期。第2戦は8月20〜22日、スウェーデンのヘリェス戦となる。

世界RXカタルーニャ ファイナル結果
1 K.ハンセン(プジョー208)
2 T.ハンセン(プジョー208)+ 1.141
3 J.クリストファーソン(アウディS1) + 2.394s
4 K.サボ(ヒュンダイi20) + 3.499s
5 R.ミュニッヒ(セアト・イビザ) + 7.259
6 K.アッブリンク(ルノー・メガーヌRS) + 9.782s



RALLY PLUS