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ERCローマはベテランのジャンドメニコ・バッソが逆転優勝

©ERC / Gregory Lenormand / DPPI

ERC第3戦ラリーディローマ・キャピターレ(ターマック)は競技最終日となる7月25日、レグ2に設定された7SS・123.19kmの走行が行われ、イタリアの強豪ジャンドメニコ・バッソ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が逆転優勝を果たした。

過去、ERCで2回タイトルを獲得しているベテランのバッソは、アンドレア・クルニョーラ(ヒュンダイi20 R5)を5.4秒差で追う2番手からこの日をスタートした。この日最初のSSでベストタイムをたたき出し、クルニョーラとの差を3.4秒に詰めてみせる。一方のクルニョーラは、リヤアクスルのトラブルを抱えてこのステージを終えていた。続くSS8では、クルニョーラがフィニッシュ手前5kmの地点で左フロントタイヤのダメージに苦しめられると、バッソはここで首位に浮上。クルニョーラとの差は一気に28.7秒差と開き、そのまま順位を維持してフィニッシュを果たした。

「すべて順調だった。すごくトリッキーなラリーだったが、本当に本当にハッピー」とバッソ。
「最終ループは長かったし集中しなければなかった。クルニョーラやルキヤナクがトラブルに見舞われてはいたが、まだ距離も残っていたしこのラリーでは何が起きても不思議ではないから、半分くらいしかリラックスできなかった。チームやコ・ドライバー(ロレンツォ・グラナイ)、支えてくれたみんなに感謝している」

ERC

2番手に後退したクルニョーラは、3番手につける選手権リーダーのアレクセイ・ルキヤナク(シトロエンC3ラリー2)との差が0.7秒と詰まってしまった。しかし、ポディウム圏内につけていたルキヤナクはSS9でグラベルに乗りワイドに滑り、リヤを木にヒット。ここでリタイアとなってしまった。
「左コーナーにグラベルが出ていて、突然リヤの挙動を失いコントロールできなくなった。少しワイドになってしまい、コーナーの出口にあった木にリヤをヒットし、ステージ脇でスタックしてしまった」とルキヤナクは状況を説明している。この結果、クルニョーラは2位でのフィニッシュを果たした。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

その後、3位争いを展開したのは、ファビア・ラリー2 Evoで初めてのターマック戦に挑んだエフラン・ラレーナとノルベルト・ヘルチグ(ファビア・ラリー2 Evo)。ヘルチグに3.7秒遅れでこの日をスタートしたラレーナは、ヘルチグをかわして5.3秒差をつけて最終ステージを迎えたが、ヘルチグがここで猛プッシュ。ラレーナに0.3秒の僅差をつけて3位フィニッシュを果たした。ヘルチグがERCのポディウムに上がるのは、2018年のキプロス以来。
「ラレーナはすごく速かったし、とても若い。でも、自分にとって信じられないリザルトになった」とハンガリー出身のヘルチグ。
「マシンは週末を通して完璧だったが、最終ステージは右フロントのリムにダメージを抱えてパンクしてもおかしくない状況だった」

ERC

ERC

ラリーディローマ初参戦のアンドレアス・ミケルセン(ファビア・ラリー2 Evo)は、マシンのセッティングとペースノートで苦戦。前日16番手からこの日をスタートし、最終ステージでもスピンとラリーを通して厳しい戦いとなったが、8位でのフィニッシュを果たした。
「今日はよくなったが、グラベルラリーの参戦が続いていたし、ローマを迎えるまでのテストも限られていた」とミケルセン。
「積極的に攻められていなかったと思うし、ターマックでは必要なコーナーでのスピードもなかったと思う」と悔しさをにじませた。

ERC2はスズキ・モーター・イベリカからエントリーしたスズキ・スイフト・ラリー2キットを駆るハビエル・パルドが前日からの首位を維持してトップフィニッシュ。ERCジュニアは前日トップで折り返したケン・トーン(フォード・フィエスタ・ラリー3)が今季2勝目を飾った。

ERC / Alexandre Guillaumot / DPPI

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

ERC3では、ラリーチーム・スペインのペップ・バサス(プジョー208ラリー4)が、ERC3ジュニアのジャン‐バティスト・フランチェスキ(ルノー・クリオ・ラリー4)とともに前日首位の座を維持してフィニッシュを果たしている。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

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選手権外でチームSTARDから参戦した新井大輝(フォード・フィエスタR5 MkII)は、この日3本目のSS9でエンジントラブルによりリタイアとなった。

ERCの次戦、第4戦チェコラリー・ズリン(ターマック)は8月27〜29日に開催の予定。

ERCローマ 最終結果
1 G.バッソ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) 1:54:06.6
2 A.クルニョーラ(ヒュンダイi20 R5) +35.8
3 N.ヘルチグ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +40.4
4 E.ラレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +40.7
5 M.マルチェク(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +56.2
6 F.アンドルフィ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:04.8
7 S.テンペスティーニ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:06.5
8 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:18.9



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