FIAは2022年のWRCについて、マニュファクチャラー勢に4台エントリーを求めることはなさそうだが、これにより、来年は各イベント参戦するラリー1マシンは各チーム2台に留まる可能性もあるとも言える。
最高峰クラスにハイブリッドのラリー1マシンが導入される2022年のWRC。トヨタは、育成中のドライバー、勝田貴元を加えたヤリス4台の体制を続けるものと見られているが、ヒュンダイとMスポーツは序盤は3台のみのエントリーに限定するものと予想されている。
FIAラリー部門のディレクター、イブ・マトンは、マニュファクチャラーズ選手権チームのエントリー台数について現行ルールからの変更はないとしており、各マニュファクチャラーが一戦につき3台までをノミネートし、ベスト2台のポイントが加算される方式が継続される。
「(現段階で)マニュファクチャラーに4台エントリーができるかを模索したとしても、現状、マニュファクチャラーが直面している制約を考えると、2022年にこれを義務化するのは難しい」とマトン。
「しかし、将来的にこのレベルに参戦するドライバーを増やすことは可能な方策のひとつではあるので、どのように新たなドライバーたちがワークスチームに参戦できる機会を作ることができるかを探っていく」
「(4台目のドライバーとしてジュニアドライバーを起用する)というアイデアも選択肢になるかもしれない。特に、FIAラリーピラミッドを通して、より多くの若手にシートのチャンスが与えられるのであれば、なおさらだ」
FIAは現行のWRカーに関して、来季も参戦できる猶予が与えられるかについて、まだ確定していない。少なくとも2022年は、新たに最高峰クラスとなるラリー1マシンよりも現行のWRカーの方がコンペティティブになる可能性も考えられる。
(Graham Lister)