スバル・モータースポーツUSAは、新たに始まるナイトロラリークロス選手権に2台体制で参戦することを発表した。ドライバーに米国ラリー選手権で5回タイトルを獲得しナイトロラリークロスの立案者でもあるトラビス・パストラーナと、ラリークロスの米国タイトルを4回獲得している名手、スコット・スピードを起用する。ふたりが参戦に使用するのはスバルWRX STIベースをベースにした600馬力のラリークロスで、テクニカルパートナーのバーモントスポーツカーが製作したマシンだ。
シリーズ初年のナイトロRXは、9月24〜25日を皮切りに全5戦で構成。まったく新しいコンセプトのラリークロスシリーズで、大ジャンプやバンクのついたダートコーナーなどが盛り込まれ、米国内外のラリークロススター選手の参戦が見込まれているという。
「ナイトロRXは、構成の初期段階からスリルを味わうために設計された」とパストラーナ。
「昨年、スバルからラリーのフル参戦に復帰した時、自分の大きな目標のひとつは米国のラリークロスの可能性を実現することだった。以来、世界の状況は大きく変わってしまったが、ようやく素晴らしいショーと信じられないようなレースを披露するためのすべてが整ったよ! たくさんのチームやドライバーが集まってくることは分かっているが、スコットと一緒に、またスバルにラリークロスのタイトルを勝ち取れる自信がある」
「ようやくラリークロスの舞台に戻れることになり、ワクワクしているよ!」とスピードも語る。
「本当に長い間、この時を待っていたが、またレースに参戦できてタイトルのために争えるようになったこと以上にうれしいものはない。自分たちには速いマシンと、自分たちが直面する新しいスタイルのコースに合わせて懸命に開発に取り組むチームがいるので、トラビスと自分が最初からタイトル争いの中心で戦えると思っている」
ラリー、ラリークロス、スーパークロス、NASCAR、注目を集めたスタント、2020年にはジムカーナのフランチャイズも引き継いだパストラーナは、興味を持ったあらゆるモータースポーツの限界に挑戦してきた。ナイトロサーカスの創設者とナイトロRXのコンセプトを生み出した第一人者でもあるパストラーナは、単発イベントから選手権シリーズへと成長したナイトロRXのあらゆる側面に関わってきた。2020年からスバルでフル参戦に復帰し、8月にはマウント・ワシントン・ヒルクライムでコースレコードを更新したほか、アメリカン・ラリー・アソシエーションでは今季4勝目をマークして6度目の米国タイトルを確定させるなど大活躍を見せたパストラーナは、自分が立ち上げたシリーズでグラベルを得意とする手腕を発揮している。
2年近くラリークロスの参戦から遠のいていたスコット・スピードは、ワンオフで参加した2019年のナイトロRXイベントで背中を負傷。その同じ舞台であるユタ・モータースポーツキャンパスで、シリーズ開幕戦に臨む。F1、NASCAR、カートでキャリアを積んできたベテランのスピードは、米国のラリークロス界でも2015〜2018年にシリーズ4連覇を果たした強豪のひとり。2019年の米国ラリークロス選手権ではWRX STIで参戦し選手権首位に立っていたが、その後、負傷により参戦を断念していた。2020年に集中的なリハビリプログラムの一環としてマシンに復帰したスピードは、2021年、ラリークロス界のトップドライバーたちを相手に、再びトップの走りを披露する構えだ。
2021年ナイトロラリークロス選手権カレンダー
第1戦 9月24〜25日 ユタ・モータースポーツキャンパス(ユタ州)
第2戦 10月2〜3日 ERXモーターパーク(ミネソタ州)
第3戦 11月13〜14日 ワイルドホースパス・モータースポーツパーク(アリゾナ州)
第4戦 11月20〜21日 グレンヘレン・レースウエイ(カリフォルニア州)
第5戦 12月4〜5日 ザ・ファーム(フロリダ州)