世界ラリークロス選手権は9月17日、ラトビアのリガでダブルヘッダーとなる大会が開幕。9月18日には第4戦のファイナルが行われ、ニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20)が今季初優勝をマークした。
2日連続で第4戦、第5戦を開催するため、予選はQ1、Q2、Q3(3レースに分かれて走行)のみとなり、その後トップ12台によるセミファイナル、トップ6台によるファイナルまでを1日で行うというハードスケジュールとなっている。その1日目、テクニカルで過酷なビルケルニエキ・サーキットで、グロンホルムは競技の序盤から好調を見せ、フリープラクティスでペースをつかむと、Q1でトップタイムをマークした。さらにQ3でも見事な走りを見せてトップタイムをたたき出し、中間リザルトで2020年王者のヨハン・クリストファーソン(アウディS1)に続く2番手につけた。ポールポジションからスタートしたセミファイナルのレース2では、ケビン・ハンセン(プジョー208)を下すことに成功。ファイナルのスタートでフロントロウを獲得した。クリストファーソンはセミファイナルのレース1で選手権リーダーのティミー・ハンセン(208)を下し、ポールポジションからファイナルに臨む。
ファイナルは波乱の連続となり、スタートでグロンホルムと接触したクリストファーソンがスピンという幕開けとなった。さらに終盤は、好スタートを決めて2番手につけていたティモ・シャイダー(セアト・イビザ)が、ジョーカーラップに入る直前にストップしてしまい、後続の行く手を塞ぐというアクシデントが発生。これで大きなアドバンテージを得たグロンホルムはトラブルなくフィニッシュし、1年ぶり以上となる勝利を飾った。グロンホルムは、ドライバーズ選手権でも首位のティミー・ハンセンとの差を27ポイントに詰め、タイトル争いに名乗りを挙げた。
「勝ててとてもいい気分だし、今日の内容には満足だ」とグロンホルム。
「最初からいい速さを出せていた。Q2は流れがよくなかったが、そこから立て直した。でも、正直言えば、ファイナルはベストの走りだったというフィーリングはない。スタートの時のアクシデントは、ラリークロスなら起こり得ることだが、その後も自分は苦戦していた。ジョーカーに入った後、ギャップがあまりに大きかったので驚いたが、ユッシ(ピノマキ、チーム代表)が、力まずにいけと言ってくれた。今季はスペイン、スウェーデンと内容がよくなかったのでタフな滑り出しとなった。フランスでポディウムに上がったことで、自分たちのペースが正しい方向に向っていることが分かったし、ようやくここで運も向いてきた。明日も、高ポイントを獲得できるチャンスがある」
クリストファーソンとシャイダーの不運は、開幕3戦を1−2フィニッシュで揃えていたハンセン兄弟には幸運となり、それぞれ2位、3位でグロンホルムとともにポディウムに上がった。 GRX-SET ワールドRXチームのチームメイト、クリスチャン・ザボ(i20)も開幕ラップの波乱で恩恵を受けた後、早めにジョーカーラップに入る戦略が功を奏し、4位フィニッシュを飾った。ザボは今季、ここまでの4戦すべてでファイナルに進出するなど、安定したパフォーマンスを披露している。
明日9月19日は同じくリガで第5戦が行われる。
世界RXリガ(第4戦)ファイナル結果
1 N.グロンホルム(ヒュンダイi20) 4:59.350
2 T.ハンセン(プジョー208) +4.641
3 K.ハンセン(プジョー208) +6.034
4 K.ザボ(ヒュンダイi20) +7.209
5 J.クリストファーソン(アウディS1) +1 lap
6 T.シャイダー(セアト・イビザ) + 5 laps