今週開催されるWRCフィンランド、ヒュンダイは同じく高速グラベルラリーのWRCエストニアと同様、ティエリー・ヌービル、オィット・タナック、クレイグ・ブリーンをヒュンダイi20クーペWRCのドライバーに起用する。ブリーンのWRカー参戦は、WRCベルギー以来。チームは、路面を問わないポテンシャルを誇る3クルーが、そろって安定したパフォーマスを発揮し、選手権争いで巻き返しを図ることを目指す。
前戦ギリシャでは、ラリー序盤にパワーステアリングのトラブルに見舞われ上位争いから後退と厳しい内容に終わったヌービル。フィンランドでは今季2勝目を目指す。
「ラリーフィンランドはとても人気の高いイベントで、過去には北欧ドライバーしか勝てない時代が続いたが、近年は北欧外のドライバーでもフィンランドで速さを見せるようになっている。自分はここで勝ったことはまだないが、ポディウムに1度、上がったことがある」とヌービル。
「とても素晴らしいイベントだが、自分にとってはタフなイベントのひとつ。自分は走行順が重要となるテクニカルなラリーではいつも速いが、フィンランドは全開で走り続けなくてはならず、自分本来のドライビングスタイルとはかなり離れている。それでも対応することはできるし、レッキがとても重要な役目を担うイベント。ペースノートを十分に信頼して、とにかく攻めるだけ。ポディウムに上がるために何が必要なのか自分たちには分かっているし、それが今回の目標だ」
一方、ギリシャでは今季3度目となるポディウムフィニッシュを飾ったタナックは、WRCフィンランドでは2018年、2019年と連勝している。
「このラリーの性格は、まったく変わると思う。ルートの大部分はこれまで走ったことがないステージなので、レッキでは完璧に正確なノートを作るために最善を尽くさなくてはならない」とタナック。
「天気も例年とはかなり変わると思うので、ここも油断できない部分だ。現行WRカーでの最後のグラベルラリーになる。自分の考えでは、これまでで最高のマシンだと思っているので、このイベントを大いに楽しみたい。ステージは楽しいと同時にチャレンジングでもあり、とても速度域が高く差がつきにくいので、素晴らしい戦いになるはずだ。3度目のフィンランド勝利を収めることができるか、楽しみだよ。ライバルたちのことは良く分かっているからタフな戦いになると思うが、ここ2年、必死に取り組んできたので、高速ラリーで戦えることを示す絶好のチャンスだ」
WRCエストニアで総合2位に入っているブリーンは、同じく高速グラベル戦の今回のフィンランドでも同じリザルト、あるいはそれ以上を目指す構えだ。
「道は毎年のように改良されており、2年ぶりの開催なのでたくさんの変化があると思う。セッティング面では、速さを出せる自信が持てるようなマシンが必要だし、リヤが安定することで、高速のロングコーナーやジャンプでも全開で走らせることができる。自分はまだWRCで勝利を挙げたことがないが、フィンランドは今年、その絶好のチャンスがあると思うので、実現するために全力を尽くす」