今週開催されるWRCラリーフィンランドにトヨタ・ヤリスWRCでプライベーター参戦するエサペッカ・ラッピは、このイベントでは証明しなくてはならないものは何もないと強調した。
2022年はトヨタでセバスチャン・オジエとマシンをシェアしての参戦プログラムが見込まれているラッピは、WRカーをドライブしたのはフォード・フィエスタWRCで参戦した2020年12月のモンツァが最後で、WRCへの参戦は5月のポルトガル以来となる。
「10カ月WRCに参戦しておらず、テストを1日しただけでWRCに参戦して、ほかのドライバーと同じレベルで走るのは不可能だ。周囲は、自分ができる以上のことを期待していたとしてもね」と語るラッピは、先週の土曜日にヤリスWRCでのテストを行ったが、このマシンでのラリー参戦は2018年のラリーオーストラリア以来となる。
このテストを終えた後、ラッピは「マシンのフィーリングはとてもよかった。以前と変わっていた部分もあるが、基本的には自分がドライブしたのと同じマシン。だから、ドライブしやすいと感じられたよ」と語っている。
「速さも素晴らしかった。すごく速かったよ。コーナーで出せる速度は素晴らしいし、ここの部分が自信をつかむまでに時間がかかる部分。テストコースでの速さはよかったが、最初のステージも同じようにいくわけではない。テストコースからステージにこの自信と速さをつなげるところにコツがあるんだ」
「テストで道を変えて新しい道を走った時、自分にためらいがあることを感じた。これが、今回のラリーで自分が勝つのは不可能だと言っている理由。もし躊躇する要素があれば、このラリーで勝つことはできない」
プライベーターとして参戦する今回、ラッピはRTEモータースポーツからエントリーしているが、ヤリスWRCはワークスチームからのレンタル。マシンの管理はTGRのスタッフが行う。
今回のラリーフィンランドの見通しについてラッピは「金曜日に、またあの速さに慣れて、あのマシンでペースノート走行ができれば上々だ。土曜日と日曜日にはコンペティティブなタイムも出せたら、ハッピーだね」と現実的に語っている。
「でも、何か特別なことをする必要はなく、求められているのは、いいパフォーマンスをすることだけ。一年のこの時期はよりチャレンジングになると思うし、午前はすごく冷えると思う。でも、それはみんなも同じだからね」
(Graham Lister)