WRCフィンランド事前情報:今季最後のグラベルラリーはシリーズ伝統の高速イベント – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCフィンランド事前情報:今季最後のグラベルラリーはシリーズ伝統の高速イベント

©TOYOTA

今季のWRCは第10戦に、2年ぶりの開催となる高速グラベルラリー、フィンランドを迎える。

WRCの歴史を通じて常に存在感を示してきたこのイベントは、今回70回目の開催を迎える。2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による影響で開催が中止となったが、WRCフィンランドが開催されなかったシーズンは、シリーズが創設られた1973年以来、これがわずか2回目のことだった。

今季も、有観客での開催を目指すため会期を例年の夏から10月に延期。この時期の開催は史上初めてとなる。気温の低下や雨の可能性があり、速度域の高さと大ジャンプで知られるステージにおいて、ドライバーは例年以上のチャレンジに直面するかもしれない。

ラリー拠点のユバスキラがチーム拠点でもあるトヨタは、2017年以来、ラリーフィンランドで連勝を誇っている。2021年はセバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンスがドライバーズ選手権で首位と2番手につけてこのイベントを迎える。両者のポイント差は現在44ポイントとなっており、もしオジエが今回のラリーでリードを60ポイント以上に広げることができれば、8度目のタイトル獲得を確定する。エバンスに7ポイント差で選手権4番手につけるチームメイトのカッレ・ロバンペラは、ユバスキラ出身。7月のエストニア、9月のギリシャとグラベルラリーで2勝をマークして母国イベントを迎える。2017年にトヨタのワークスドライバーとしてフィンランドを制しているエサペッカ・ラッピは、プライベーターチームのRTEモータースポーツからヤリスWRCでエントリー。育成ドライバーの勝田貴元は、このイベントではコ・ドライバーにアイルランドのアーロン・ジョンストンを迎えて参戦する。

ヒュンダイのティエリー・ヌービルは、ドライバーズ選手権ではオジエに50ポイント差の3番手につけている。オィット・タナックは2018年、2019年とラリーフィンランドで連勝を飾っており、注目のひとりだ。i20クーペWRCのサードカーは、自身が参戦した直近2戦のエストニア、ベルギーをいずれも2位フィニッシュで並べているクレイグ・ブリーンに託される。

Mスポーツ・フォードは、ガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモーの布陣。フルモーは、ルノー・ジャムルとのコンビを解消し、今戦から新たにアレクサンドル・コリアをコ・ドライバーに迎える。

WRC2では、TRTのマッズ・オストベルグは、選手権リーダーで今回はERC参戦のために欠場するアンドレアス・ミケルセンとの30ポイント差を詰めるチャンス。しかし、ヤリ・フッツネン(ヒュンダイi20 Nラリー2)、モビスポーツのフォルクスワーゲン・ポロGTI R5を駆るテーム・スニネンと地元フィンランド勢との争いが待っているほか、それぞれのチームメイト、オリバー・ソルベルグ、ニコライ・グリアジンら若手強豪もエントリーリストに名を連ねている。

WRC3にも地元フィンランドの才能ある若手が登場する。現在選手権5番手につけるエミル・リンドホルム、スノー路面で開催された2月のWRCアークティックで部門優勝を飾ったテーム・アスンマー、WRCアークティックとWRCエストニア戦で3位に食い込んだミッコ・ヘイッキラ、エイリーク・ピエタリネンは2018年のラリーフィンランドでWRC3優勝をマークしている。また、ジュニアWRCのレギュラードライバー、ラウリ・ヨーナは、今戦で4WDマシンでのWRCデビューを飾るほか、スペインのペペ・ロペス、エストニアのイーゴン・カールもエントリーしている。

■ラリールート

TOYOTA

会期が変更となった今年のラリーフィンランドはよりコンパクトなルートで構成されているが、それでも計19SS、287.11kmが設定される。シェイクダウンは10月1日金曜日の午前に行われた後、午後には伝統的に開幕ステージとなるユバスキラの市街地ステージ、Harjuを走行する。金曜日は林道ステージ5本が設定され、終盤はナイトステージとなる。土曜日はユバスキラの南部、ヤムサ周辺に総ステージ走行距離の半分以上が設定され、新ステージ、ArvajaとPatajokiを含む4SSを2ループ。その後、夕方には再びHarjuを走行する。日曜日は近年も馴染みのあるステージ、LaukaaとRuuhimakiをリピート。Ruuhimakiはパワーステージに指定されており、現行WRカーで走行する最後のグラベルステージとなる。

■ラリーデータ
開催日:2021年10月1-3日
サービスパーク設置場所:ユバスキラ
総走行距離:1059.64km
総ステージ走行距離:287.11km(SS比率27.1%)
総SS数:19

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
セバスチャン・オジエ (#1)
エルフィン・エバンス (#33)
カッレ・ロバンペラ (#69)

[ヒュンダイ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
クレイグ・ブリーン(#42)

[Mスポーツ・フォードWRT]
ガス・グリーンスミス(#44)
アドリアン・フルモー(#16)



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