WRCフィンランド:ピレリ、2年ぶりのフィンランドにスコーピオンKXを供給 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCフィンランド:ピレリ、2年ぶりのフィンランドにスコーピオンKXを供給

©PIRELLI

今週開催されるWRC第10戦ラリーフィンランド(10月1〜3日、グラベル)は、2年ぶりの開催。シリーズ屈指の高速グラベルラリーは今年、史上初めて10月の開催となることから、冷涼な気温のほか雨の可能性も高く、ドライバーは例年とは異なる試練に直面することになりそうだ。2020年は開催中止となっており、直近の開催は2019年。この時の最速の平均速度は、クリス・ミークがSS10のアーネコスキ2でマークした時速131.77kmだった。ピレリは、これほどの高速ステージでの天候がどうなろうと、供給するグラベルタイヤ、スコーピオンKXはグリップと一貫性が得られると自信を見せる。

Scorpion KX: ピレリのグラベルラリータイヤは、ハードとソフトコンパウンドが用意され、冷涼、または湿ったコンディションでグリップを得るには、ソフトが第一選択となる。ハードは代替として、複数ステージを通じて寿命を保つコンパウンド。いずれも、カットによるダメージを防ぐため、特にサイドウォールを中心に補強が行われている。

Scorpion K:ピレリのグラベルタイヤはWRC2とWRC3にも供給され、同じくコンパウンドはハードとソフト。ワールドラリーカー勢が履くKXに投入されている特徴の多くが流用されている。

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テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「ラリーフィンランドはWRCではおなじみのイベントだが、今年は会期が遅くなっているためコンディションは例年とはかなり異なると見られる。通常開催される夏は気温が非常に高くなることもあり、速度域の高さと大ジャンプも組み合わされることでタイヤにも多くの負荷がかかることもある。このため、タイヤも信頼性と対応のしやすさが求められる。今回、最大の試練となるのは、気温が下がった時にグリップをつかむこと。特に雨が多く降り、道が非常にスリッパリーになると顕著になる。ドライバーたちがトラクションや、ミスの影響が大きくなる高速ステージにアタックできる自信を得るためには、今季は主な選択肢となるのはソフトタイヤなのは明らか。天気予報では、気温は5〜10度を予想しているので、ソフトのスコーピオンタイヤが初めての冷涼なコンディションにどのように対応できるか、興味深い点になる」

ピレリはフィンランドには1300本のタイヤを持ち込む予定にしており、うち400本がWRカー用となる。各WRCドライバーがラリー中に使用できるタイヤ本数は28本(シェイクダウンを含む)。

各マシンに用意されるタイヤの種類と本数は次のとおり。
ワールドラリーカー
Scorpion KX Soft
:28本
Scorpion KX Hard:8本

ピレリは、WRC2、WRC3を含め、エントリーする4WDマシンにも900本のタイヤを供給する。
4WDマシン(WRC2、WRC2を含む)
Scorpion K6A Soft
:26本
Scorpion K4A Hard:8本

今回のラリーフィンランドは、開催70回目を迎える。1951年の初開催は、実は9月だった。以来、この高速グラベルラリーは、ユバスキラ・グランプリとして知られるようになった。今でも“グラベル・グランプリ”や“フィンランド・グランプリ”として、モータースポーツ界にその名を轟かせている。

秋の気候が予想されることから、今回のフィンランドではソフトタイヤを選ぶ傾向になると見られるが、すべてのタイヤを最大限に活用することが重要となる。特に、土曜日は1ループに70km以上のステージが設定されており、これを1セットのタイヤで走り切らなくてはならない。今年のアイテナリーは例年よりもコンパクトになっており、スタートは金曜日の日中。ステージ本数は19本で、ナイトステージも設定されている。

PIRELLI

注目は、地元フィンランド人勢の活躍。歴史的に、ラリーフィンランドではフィンランド人ドライバーが圧倒的な強さを誇ってきた。ピレリタイヤでラリーフィンランドを制してきたフライングフィンには、マルク・アレン、アリ・バタネン、ユハ・カンクネン、マーカス・グロンホルム、ミッコ・ヒルボネンと錚々たる名前が並ぶ。また、現在トヨタのチーム代表を務めるヤリ‐マティ・ラトバラは、2009年と2010年にピレリがWRカーに単独供給を行っていた時代にラリーフィンランドを連覇している。2017年にはエサペッカ・ラッピがトヨタでラリーフィンランドでの勝利を挙げており、今回はプライベーター参戦ではあるがヤリスWRCでエントリーしている。元Mスポーツ・フォードのテーム・スニネンは、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5での初参戦。同じく地元フィンランドのテーム・アスンマー、ミッコ・ヘイッキラは、いずれも最新型のシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoにピレリを履いてエントリーしている。



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