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WRCフィンランド:競技2日目、トヨタのエバンスが逆転首位に。勝田はリタイア

©TOYOTA

WRC第10戦フィンランドは、トヨタのエルフィン・エバンスが競技2日目にふたつポジションを上げて総合首位に。2番手にはオィット・タナック、3番手にはクレイグ・ブリーンと、ヒュンダイ勢が続いている。4番手にはプライベーターとして参戦するエサペッカ・ラッピがつけた。トヨタのカッレ・ロバンペラと勝田貴元はともにデイリタイアを喫している。

10月2日(土)の競技2日目はSS7〜SS15までの9SS、SS距離151.95kmで争われる山場の1日。4SSを2度走行し、ユバスキラの市街地ステージで締めくくられる。前日首位に立ったブリーンがリードを守り切れるか、そしてトヨタ勢による3番手争いの行方に注目が集まる1日となった。各車ともソフトコンパウンド5本を搭載してオープニングのSS7に向かっていく。

SS7で機先を制したのはエバンス。トップ3の総合順位に変動はないものの、エバンスは上位2台に対してプレッシャーをかけていく。このステージではSS2番手にブリーン、SS3番手タナック、SS4番手にティエリー・ヌービルと、ヒュンダイ勢が上位に名を連ねた。路面状態も安定しており初日に比べればグリップがつかみやすいと各ドライバーは振り返る。このSSではWRC2のオリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 Nラリー2)が横転を喫し、戦列を去ることとなった。

続くSS8でもエバンスが一番時計をマークし、上位のヒュンダイふたりをかわして僅差ながら総合首位を奪うことに成功した。総合2番手ブリーンとの差は0.9秒、3番手タナックとの差は2.3秒だ。このステージでは、総合8番手につけていた勝田が右リヤサスペンションを破損してデイリタイアを喫している。勝田は左コーナーでジャンプした際、着地で姿勢を乱しアウト側にスライド。右リヤをヒットしてコース左側にコースオフし、この日の競技続行を諦めざるを得ない状況となった。

HYUNDAI


エバンスはSS9でもベストタイムをマークし、追いすがるブリーンとタナックに対して差を広げていく。ブリーンに4秒、タナックに6秒と、それぞれに対して3秒近くのマージンを積み重ねた。エバンスの勢いはとどまるところを知らず、1ループ目最後となるSS10でも一番時計をマーク。この日最初の4SSすべてでベストタイムを刻み、後続に対するリードをさらに拡大した。このステージでは総合4番手を走っていたロバンペラがコースオフしフロント部分を破損、デイリタイアを決めた。ロバンペラは左コーナーでハーフスピンを喫し、立て直そうとしたが叶わず、アウト側の砂山に突っ込むこととなってしまった。これでラッピが総合4番手に浮上している。

サービスを挟み、各ドライバーは午後のセクションに向けても、ソフトコンパウンド5本で臨む。このSS11ではタナックがベストタイムをたたき出し、エバンスの好調に待ったをかける。総合順位に変動はなかったが、総合2番手ブリーンと3番手タナックの差は1.8秒という僅差に。続くSS12もタナックが制し、0.2秒差ながら、ここでブリーンを逆転。タナックが総合2番手に浮上し、ブリーンが3番手となった。

タナックはさらにSS13でも一番時計をたたき出すが、エバンスも0.2秒差で二番時計。ブリーンはここでやや遅れを喫し、タナックとの差を4.4秒に広げられてしまった。続くSS14は夕暮れのなかで行われるため、ランプポッドを付けての走行となる。このSSではエバンスがあわやという場面を乗り越えて再びベストタイムをマーク。また、総合5番手につけていたヌービルはラジエターを破損してしまい、リタイア。ダメージがエンジンにまで及んでいたため、再スタートはしない見通しだ。これでトヨタのセバスチャン・オジエが5番手に浮上した。

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この日最後のSSはSS1の再走ステージとなるユバスキラの市街地コースで締めくくられる。ここではエバンスとタナックが同タイムで一番時計。両者一歩も引かず、エバンスが9.1秒のリードをもって最終日のバトルに臨むこととなった。総合3番手のブリーンは首位エバンスから19.5秒、総合4番手のラッピは44.8秒差と、優勝争いはふたりに絞られた格好だ。

競技最終日はSS16〜SS19の4SS、ユバスキラ東部に設けられた2SSを2回走行する、SS距離45.74kmで争われる。今季2勝目、フィンランド初勝利を目指すエバンスと、フィンランド3勝目を狙うタナックのどちらに軍配が上がるか注目が集まる。オープニングのSS16は日本時間3日(日)の14時35分スタート。

WRCフィンランド SS15後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) 1:57:46.7
2. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) +9.1
3. C.ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC) +19.5
4. E.ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) +44.8
5. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +2:23.7
6. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) +4:16.9
7. A.フルモー(フォード・フィエスタWRC) +5:31.5
8. T.スニネン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +8:21.4
9. M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +8:29.4
10. E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +8:55.8



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