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Mスポーツ・フォードがクレイグ・ブリーンの加入を発表、今月からラリー1のテストを開始

©M-SPORT

Mスポーツ・フォードは、2022年〜2023年のWRC参戦クルーに、クレイグ・ブリーン/ポール・ネイグルが加わることを発表した。今季ヒュンダイからのスポット参戦で3戦連続ポディウムと好調を見せるブリーンに、ハイブリッドの新規定ラリー1マシンが導入されるWRC新時代の活躍が期待される。

アイルランド出身、現在31歳のブリーンが、WRCでのキャリアにおいて最もエキサイティングな展開を迎えた。ブリーンは数週間前にチームの拠点がある英国カンブリアで、フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1のテストを行ったといい、チームが作り上げた最新マシンの仕上がりに感銘を受け、現在はチームとブリーンがともに成功を収めることに集中している。

WRCは2022年、新しい技術規定を導入し新時代を迎えようとしている。スペースフレームのシャシーに、130馬力を発生する100kWのハイブリッドモーターを搭載し、100%持続可能な燃料を使用することで、より環境に配慮した方向に進んでいく。

ブリーンはこれまでWRCにはスポット参戦の経験しかないが、最近のブリーンとネイグルの活躍は、サービスパークでの話題の中心のひとつとなっていた。先週開催されたWRC第10戦ラリーフィンランドでも3位でのフィニッシュを果たしたことで、参戦した直近7戦でのポディウムフィニッシュは4回を数えるほか、シーズンの半分しか参戦していないにもかかわらずドライバーズ選手権でも6番手につけている。

ブリーンとネイグルについては、Mスポーツのマネージングディレクター、マルコム・ウィルソンも以前から注目していた。2011年のWRCアカデミーにMスポーツが製作したフォード・フィエスタR2で参戦し、タイトルを獲得したことで、ブリーンはフォード・フィエスタS2000にステップアップするチャンスを得た。翌シーズンはSWRCで4勝をマークし、この年もタイトルを獲得した。

Mスポーツが若手ドライバーを対象に展開する「チャンスのはしご」の恩恵を受けたブリーンは、一気にトップレベルに駆け上がり、これまで数々のWRCチームからスポット参戦を経験しているが、2022年はその出発点となったチームに戻ることになる。Mスポーツは、これまでのブリーンの見事な戦績に新たな1ページを加えるべく、この数十年で最もエキサイティングなシーズンで成功を収めるための支援を行う。

ブリーンのMスポーツドライバーとしてのキャリアは、10月にスペインで行う複数路面でのテストから始まる。チームが2022年開幕戦モンテカルロラリーのスタートを迎えるまでわずか100日あまり。チームは新章のスタートを心待ちにしている。

なお、2022年のそのほかのドライバーズラインナップについては、今後発表するとしている。

Mスポーツのマネージングディレクター、マルコム・ウィルソンは「クレイグの成長は10年以上も見守ってきており、彼の父はMスポーツの大切な顧客でもある。彼が様々なMスポーツのマシンに乗り、“チャンスのはしご”を活用して今日まで成長してきた様子をずっと見てきた。今季は、部分的にしかWRCに参戦していないにもかかわらず、素晴らしく安定した結果を残しており、注目を集めていた」とコメント。
「我々は、チーム加入の可能性について、何カ月も前に話し合いを始めており、ようやく公式に彼が来年から2シーズン、チームをリードすることになったと発表できることに、非常に興奮している。我々は、プーマを素晴らしいマシンに仕上げており、クレイグとこのプーマがこの先のシーズンでチームに成功をもたらしてくれることに疑いはない。また、アイルランドのファンにとって、ラリーがどれほど重要な存在なのか、私はよく知っているし、こうしたファンにMスポーツはいつも応援してもらっているので、今回のニュースでそのみんなが一丸となることが待ち切れない」

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Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのチーム代表、リチャード・ミルナーは「クレイグのことは、Mスポーツのマシンで初めてラリーに出た時から知っており、ST選手権に参戦していた時は私はシリーズのコーディネーターを務めていたので、より深く知るようになった。よく、自分たちのキャリアがどのように進んできたか、そして今どのような状況にあるのかについて冗談を言い合っているが、WRCが長い歴史の中で最もエキサイティングな時代を迎えようとしている今、この先の2シーズンに向けて、ラリーのトップレベルで何ができるか。それを見極めるために、彼と再び一緒に取り組むことは喜びであり、光栄なことだ」と語っている。

「クレイグとポールが、チームのために最善のリザルトをもたらしてくれると心からの自信を持っているし、数カ月後に控えるモンテカルロラリーのスタートに彼らが並ぶ姿を見るのが待ち切れない。我々が目指すのは、ふたりがチームに馴染んで、新しいプーマで結果を出すために必要なことのすべてを与えること。それを始めることが待ち切れない。私自身だけでなく、この冒険に関わるすべての人にとって、純粋にエキサイティングな時間となっている」

ついにMスポーツ・フォードからのフル参戦プログラムが発表されたブリーンは「ポールと一緒にMスポーツ・フォード・ワールドラリーチームに加入することになり、本当にうれしいし誇りに思う」とコメント。

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「WRCでの挑戦はこれまで波乱万丈の長い道のりだったが、モータースポーツ界で最も権威のあるブランドのマシンでWRCを戦うというゴールデンチケットをついに手に入れた。自分はフォード・フィエスタR2でジュニアWRCタイトルを獲得したところからWRCでのキャリアを始め、フォード・フィエスタS2000でSWRCタイトルを獲得するなど、フォードは常に心に寄り添ってきた。自分はラリーが大好きで、このスポーツのあらゆる面が好きだが、特に歴史だ。フォードのドライバーのリストに自分の名前が加わることは、まだ少し実感がわかない。アリ・バタネン、ハンヌ・ミッコラ、コリン・マクレー、カルロス・サインツといった偉大なドライバーたちと一緒に自分が歴史に刻まれることは、非常に名誉なことだ。誇り高きアイルランド人としてフォードをドライブするということは、自分にとってさらに特別なこと。ヘンリー・フォードの父親はアイルランド出身で、その後、米国に移住した。アイルランドでのフォードへの愛情や情熱は、今でもとても深い」

「マルコム、リチャード、Mスポーツのみんなが自分たちを信頼してくれたことに、身の引き締まる思い。今は、WRC開幕戦のモンテカルロのスタートのためにカジノ広場に向かい、ブルーオーバルの誇りをかけて走ることが待ち切れない」

コ・ドライバーを務めるポール・ネイグルは「WRCが新しいハイブリッド時代に入っていく中で、Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームにかかわることになり、大変興奮している」とコメント。

「WRCではいろいろなチームで活動してきたが、いつもフォードファミリーに加わりたいと思っていた。Mスポーツのチームは、指折りのラリーマシンを製作する数々の記録を残しており、2022年も例外ではないと確信している。クレイグと自分は、優勝を収め、WRCタイトルをかけて争うことに貪欲になっており、ベストを尽くしていく」



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