TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、10月15日(金)から17日(日)にかけてスペイン東部のサロウを拠点に開催されるWRC第11戦「ラリースペイン」(ターマック)に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンの、3台のヤリスWRCで参戦する。このスペインでは、チームはマニュファクチャラーズ選手権、オジエとイングラシアは、ドライバーズ、コ・ドライバーズ選手権タイトルを決めるチャンスを握っており、最終戦を待たずにこのスペインでのタイトル獲りに挑む。また、TGR WRCチャレンジプログラムの勝田貴元も引き続き、ヤリスWRCで参戦する。
(以下チームリリース)
久々にオールターマックラリーとして開催されるスペインで
シーズン9勝目とタイトルの獲得を目指す
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、10月15日(金)から17日(日)にかけてスペインのサロウを中心に開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦「ラリー・スペイン」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦。ドライバー/コ・ドライバー選手権および、マニュファクチャラー選手権のタイトルが決定する可能性があるこの1戦に、チーム一丸となって臨みます。
2年ぶりの開催となるラリー・スペインは、以前と変わらずスペイン北東部のコスタ・ドラダ(黄金海岸)のビーチリゾート、サロウを中心に行われます。スペインはもともと、ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)の両路面を走行する「ミックスサーフェスラリー」としてスタートし、それがこのラリーの特徴でもありました。しかし、途中からオールターマックラリーに姿を変え、2009年大会までしばらく純粋なターマックラリーとして行われました。その後、ミックスサーフェスラリーに回帰し、前回の2019年まで10大会連続で舗装路と未舗装路を舞台に戦われてきました。しかし、今年は再びオールターマックラリーとなり、新たなるスタートをきることになりました。
今シーズンのWRCは今回のラリー・スペイン、次戦のラリー・モンツァ(イタリア)と2戦を残すのみとなりましたが、いずれもターマックでの戦いとなります。チームはマニュファクチャラー選手権において、現在2位のライバルを61ポイントリードしており、今回のスペインでは最大52ポイントを得られるため、2018年以来2回目となるマニュファクチャラーズタイトルを、スペインで獲得することが可能です。また、ドライバー選手権においては、首位のオジエと、前戦ラリー・フィンランドで優勝した2位エバンスのふたりにタイトル争いは絞られ、両者の差は24ポイントとなっています。オジエは過去このラリーで3勝しており、結果次第ではスペインで通算8回目となるワールドチャンピオンに輝きます。一方のエバンスは、不利な立場にあるとはいえ初タイトル獲得のチャンスは依然残されており、スペインの結果が非常に重要となります。
今シーズン2回の優勝を手にしている21歳のロバンペラは、現在ドライバーズ選手権4位につけていますが、3位のライバルとの差は1ポイントと少なく、トヨタのドライバーによる選手権トップ3独占も決して不可能ではありません。なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回もヤリスWRCで出場します。
今年のラリー・スペインは、14日木曜日の午前中にシェイクダウンが行われ、15日金曜日の朝から競技がスタート。初日はサービスパークの西北エリアで、3本のステージをサービスを挟んで各2回走行します。そのうちヴィラプラナ(SS1/4)は、2019年大会でパワーステージを担ったラ・ムサーラのステージの逆走となり、ラ・グラナデーヤ(SS2/5)は一部が過去に使われたステージと重なりますが、基本的には新しいステージとなります。また、リバ-ロハ(SS3/6)も全体を通して走行するのは久々となります。2日目の16日土曜日は、サービスパークの東北エリアでサヴァラ(SS7/10)、ケロル-レス・ポブレス(SS8/11)、エル・モンメル(SS9/12)という2019年大会でも使われた定番の3本のステージを、日中のサービスを挟んで各2回走行。1日の最後には、サロウの海岸近くで全長2.24kmの市街地ステージが行なわれます。最終日17日の日曜日は、サービスパークの西側エリアでサンタ・マリナ(SS14/16)と、リウデカニエス(SS15/17)という、伝統ある人気ステージをサービスを挟んで各2回走行。最終ステージとなるリウデカニエスの2本目は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で17本、その合計距離は280.46km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1410.29kmとなります。
ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
WRCが再びスペインで開催されることを嬉しく思います。また、今年は昔のようにオールターマックラリーとして開催されるので、なおさら楽しみです。スペインのターマックステージはWRCの中で最高ですし、私も現役時代は心からドライビングを楽しみました。もちろん、選手権をリードしている我々のドライバーたちが、初日にグラベルロードを走らなくて済み、路面を覆うルーズグラベルの掃除をしなくていいのも助かります。ドライバーズタイトルを獲得できるのが、トヨタのドライバーだけに絞られたのは私たちにとって非常にエキサイティングなことですが、チームとしての最大の目標は、もちろんマニュファクチャラーズタイトルを獲得するために、できるだけ多くのポイントを獲得することです。チャンスは十分にあると思いますが、望む結果を出すためには、事前の準備やラリー中の作業をしっかり行う必要があります。
セバスチャン・オジエ
スペイン、そしてターマックラリーに戻れることをとても楽しみにしています。スペインのターマックステージは運転がとても楽しく感じられるので、ラリーの3日間が全てターマックで行われるのは歓迎です。また、今シーズン多くのラリーで強いられてきた、初日にルーズグラベルを掃除する作業が必要がないのも、私たちにとってはいいことです。チャンピオンシップに向けて、私たちはまだ有利な位置にいます。スペインは、現実的に見てタイトルを獲得することが可能な最初のチャンスですし、そのために自分が何をすべきかはわかっています。優勝できるチャンスがあるのならば、そのために戦いますし、それが私たちの目標を達成するための最もシンプルな方法でもあります。
エルフィン・エバンス
ラリー・フィンランドでの優勝は、私たちにとって素晴らしい結果でした。ドライバーズタイトル争いに関しては依然厳しい状況にありますが、スペインでもう一度ベストを尽くし最高の結果を出したいと思ってます。スペインのターマックステージは本当に素晴らしいので、今回はオールターマックのイベントに出場できるのがとても楽しみです。これまでヤリスWRCで走ってきたターマックラリーでは、路面がかなり汚れていたり、グリップが低かったりすることが多かったので、このクルマでスペインのグリップの高い道を走るのが楽しみです。とはいえ、この時期スペインであっても天候に恵まれドライコンディションになるとは限りません。もし雨が降ったとしたら、以前のラリーのように非常にトリッキーで難しいイベントになる可能性があります。
カッレ・ロバンペラ
スペインはWRC 2に参戦していた時に2回出場した経験がありますが、自分はターマック路面を走行する日の方が好きだったので、再び完全なターマックのラリーとして行われるのはポジティブなことです。もし天気が良ければ、本当に素晴らしいラリーです。とても高速で流れるようなコーナーが多く、他のターマックラリーとは少し違います。どちらかというとサーキットに近い道なので、正確なドライビングが求められますが、うまくいったときは本当に楽しめます。ベルギーのイープルとはステージのキャラクターがかなり違いますが、ターマック仕様のクルマに良いフィーリングを感じていたので、今回のスペインでもそれを再現し、自分たちとチームのために良い結果を残したいと思います。