イタリアのタマラ・モリナーロは、今季イタリア国内選手権でダブルタイトルを獲得した。この成功を来季のWRC参戦につなげたいと考えているようだ。
元ERCレディスチャンピオンのモリナーロは、先週開催されたイタリアラリー選手権の最終戦、リブルナ・ラリー・テラに家族が運営するチームからシトロエンC3ラリー2で参戦。アンダー25部門とレディス部門で二冠を獲得した。この成功を軸に、次へのステップに上がる資金を獲得することを目指している。
モリナーロは現在24歳。これまでWRCラリースウェーデンに2回挑戦しており、2019年に参戦した2度目はWRC2でトップ10に食い込んだ。その後、経験を積みラリー2マシンでの走行時間も重ねてきたことから、世界選手権に再挑戦する準備が整った手応えを感じているようだ。
「WRCは、常に自分が目指してきた目標」とモリナーロ。
「母国で参戦するのもうれしいが、すべての目標の中心となるのはWRC。このステップを上がるためには、資金をたくさん用意しなくてはならないことは分かっているが、まさにそのことに奔走しているところ。ファミリーチームで参戦しているが、ごく普通の家庭なので、もっとパートナーを増やさなくてはならないことも分かっている。WRCというゴールは、自分にとって明確になっていることのひとつ」
現在、モリナーロを支援しているのは、来季、Mスポーツ・フォードからWRC参戦が決まっているクレイグ・ブリーンだ。このコンビで参戦したこともあり、10月にはサンマリノで開催されたラリーレジェンドにもフォード・エスコートWRCで登場している。モリナーロはブリーンについて、最高のコーチだと語る。
「この世界の中で、自分にとって最もラッキーなことのひとつ」とモリナーロ。
「テストができるチャンスはあまりなかったが、クレイグと一緒にこのマシンで参戦したことで自分もためになったことが多く、最高の機会だった。本当にたくさん、サポートしてもらっている。彼への質問が止まらない。できる限り多くの情報を得たいから」
「彼のコ・ドライバーをしている時の自分は、すべてを吸収するスポンジのような感じ。ノートを読んでいる時も、彼がどのようにマシンをドライブしているのか、何をしているのかを見ている。マシンの外でも、彼がエンジニアやテクニシャンとどのような話をしているかを聞けるので、とても勉強になる」
「それに、彼がWRCで活躍する姿を見て、自分もWRCに参加したいと思うようになった」とモリナーロは付け加えた。