WRCモンツァ:WRカー時代最後の王者はピレリの母国で決定、冬タイヤも供給 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCモンツァ:WRカー時代最後の王者はピレリの母国で決定、冬タイヤも供給

©PIRELLI

ピレリがWRCトップカテゴリーのタイヤサプライヤーに復帰して最初のシーズンは、ミラノにあるピレリ本社にも近い名門サーキット、モンツァでクライマックスを迎え、マニュファクチャラーズ、ドライバーズ、コ・ドライバーズの3タイトルが決まる。ラリーモンツァは、“スピードの殿堂”と称されるモンツァサーキットと周辺のベルガモ・アルプスの山岳路でのステージを組み合わせる構成のため可能性のあるコンディションが幅広いことから、ピレリはドライバーに供給するタイヤの選択肢も増やしている。

P Zero RA WRC:ピレリのターマックタイヤは、ハードとソフト、ふたつのコンパウンドが用意される。モンツァ戦では、新しいハードコンパウンド(RA WRC HA)が第一選択となる。このコンパウンドは前戦スペインでデビューしており、ロングステージでも気温が高い中でも信頼性を発揮した。ソフトタイヤ(RA WRC S)は、気温の低い時や湿った状態、スリッパリーなコンディションでの選択肢となる。

P Zero RA RC2:パワーが低いラリー2マシンに用意され、コンパウンドは同じくドライコンディション向けのハードコンパウンド(RA5)、ミックスや湿ったコンディション向けのソフトコンパウンド(RA7+)のふたつ。いずれも、ワールドラリーカー勢が履くP Zero RA WRCに投入されている特徴の多くが流用されている。

Cinturato RWB:全部門の4輪駆動マシンに用意されるウエットコンディションのターマック用タイヤ。独自のトレッドパターンにより特に排水性が高く、ハイドロプレーニングを軽減する。

Sottozero STZ-B:このイベントでの極めて厳しいコンディション向けに、全部門の4輪駆動マシンに用意されるウインタータイヤ。1月のラリーモンテカルロで投入したSottozeroとは異なり、ラリーモンツァでは使用が認められないスタッドはついていない。このタイヤは、昨年のモンツァでのステージでも見られたような雪や、泥とターマックとグラベルが入り交じった極めて激しいウエットコンディションでの選択肢となる。

PIRELLI

テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「今シーズンの最終戦にWRCを再びモンツァに迎えられることをうれしく思う。我々のホームサーキットでチャンピオンが決定されるのは、特別なこと。レースでもラリーでも長い歴史が作られてきた場所だ。サーキットのステージはかなりシンプルに見えるかもしれないが、様々なタイプの道が組み合わされているほか、近年使用されている路面により、トップドライバーでさえ、とりわけ選手権争いのプレッシャーもかかる中では非常にチャレンジングなラリーになる。
 さらに2020年でも見られたように、1年のこの時期は山間部では特に非常に過酷なコンディションになることもある。我々は、起こり得るすべての可能性に対応し、Sottozeroから、スペインで見事なデビューを飾ったハードコンパウンドP Zeroまで、4つの選択肢を準備した。コンディション変化に対応し適切なチョイスを行うことは、ここで成功を収めるためには不可欠。来年からは新たにハイブリッド仕様のマシンが使用されるため、現行のWRカーの時代はこのラリーで終わりを告げる。金曜日と土曜日の午前はタイヤチョイスが重要となり、2本の山間部ステージを2ループしてからモンツァに戻ることになる」

ピレリが今回のスペインに持ち込むタイヤの本数は約5000本で、そのうちおよそ1000本がWRカー用。各WRCドライバーがラリー中に使用できるタイヤ本数は28本(シェイクダウンを含む)。

ワールドラリーカー
P Zero RA WRC HA (hard)
:32本
P Zero RA WRC S (soft):24本
Cinturato RWB:12本
Sottozero STZ-B:8本

ピレリは、WRC2、WRC3を含めた4WDマシンにも3500本のタイヤを供給する。

P Zero RA5 (hard):30本
Zero RA7+ (soft):22本
Cinturato RWB:12本
Sottozero STZ-B:8本

ドライバーズ選手権首位に立つセバスチャン・オジエは、トヨタのチームメイト、エルフィン・エバンスに17ポイントのリードを握ってモンツァ戦を迎える。オジエにとって最後のフル参戦シーズンに8度目の世界タイトル獲得を阻止できる可能性を残しているのは、このエバンスのみ。トヨタはマニュファクチャラーズタイトルを獲得するチャンスも握っており、選手権争いでは2番手にヒュンダイに対し47ポイントリードしている。

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