WRC最終戦ラリーモンツァ(ターマック、イタリア)、WRC2はMスポーツ・フォードから初めて参戦したヤリ・フッツネンが優勝した。
フォード・フィエスタ・ラリー2でのデビュー戦をトリッキーなターマックで迎えたフッツネンは、序盤は慎重な滑り出しを見せた。それでも2番手で初日をまとめると、翌土曜日の午前には、リードしていたマルコ・ブラシア(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がクラッシュしたことで首位に浮上する。最終日、すでにWRC2タイトルを決めているアンドレアス・ミケルセン(ファビア・ラリー2 Evo)が2番手につけていたが、金曜日にタイヤ交換を余儀なくされて大きくタイムロスを喫しており、フッツネンとの差は1分1秒6と大差がついていた。ミケルセンは、モンツァサーキットのステージのみで構成されたこの日3SSで挽回を試みたが、フッツネンもしっかりペースをコントロールし、最終的に47秒の差をつけて優勝。Mスポーツ・フォードにとっては今季初のWRC2勝利となった。
「いい気分だよ」とフッツネン。
「もちろん、ステージのタイムには納得していない。まだやるべきことが、たくさんある。来年どうなるかはまだ分からないが、どこかのマシンには乗っていたいね」
56歳のベテラン、エンリコ・ブラゾッリ(ファビア・ラリー2 Evo)は母国ラリーを3位でフィニッシュ。ミケルセンには13分以上の大差をつけられたが、ブラゾッリのポディウムフィニッシュによりモビスポーツがWRC2チームズ選手権タイトルを獲得した。チームメイトのニコライ・グリアジン(ファビア・ラリー2 Evo)は部門トップのタイムでフィニッシュしていたが、ドライバーズ選手権ポイントは対象外。それでも、モビスポーツのチームズ選手権ポイント獲得は認められており、この結果、タイトルライバルのトクスポーツに11ポイント差をつけてシーズンを終えた。
ゲオルグ・リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)もドライバーズ選手権のポイント対象外で参戦したが、コ・ドライバーのジェームス・モルガンのコ・ドライバーズ選手権ポイントを目指して参戦。好タイムを連発し、部門4位相当のタイムでフィニッシュした。
WRCモンツァ WRC2部門最終結果
1 J.フッツネン(フォード・フィエスタ・ラリー2) 2:49:28.6
2 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +47.0
3 E.ブラゾッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +14:00.8
4 M.ブラシア(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +59:22.3
2021年WRC2選手権 ポイントスタンディングス
1 A.ミケルセン 149ポイント
2 M.オストベルグ 126ポイント
3 J.フッツネン 107ポイント
4 M.ブラシア 107ポイント
5 T.スニネン 93ポイント
6 N.グリアジン 77ポイント
7 E.ラッピ 59ポイント
8 E.カミリ 51ポイント