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ダカール2022:ステージ10でステファン・ペテランセルが大会初のステージウイン

©ASO / Frederic Le Floch / DPPI

サウジアラビアで開催中のダカールラリー2022は1月12日、ワジ・アド・ダワシール〜ビシャ間に375kmのステージ10が設定された。ワジドとヒジャーズの台地周辺は最高地点の標高が1770mにも達し、広大な風景が広がった。対照的に、アシール地方は砂地から岩が突き出ているような路面。ステージの3分の2を占めたサンディなこの高速コースの後、一隊は北西部に向かいビシャで最後の2ステージに挑むためここで二晩を過ごす。

この日のステージではアウディRS Q e-tronで挑むステファン・ペテランセルが、今大会初となるトップタイムをマーク。“ムッシュ・ダカール”は休息日以降はトップ10タイムを連発しており、好調を維持する中で自身82回目のステージ勝利をマークした。
「2週目からは大きなメカニカルトラブルは一切ないので、いい流れを作れているしこのマシンでの走りを楽しんでいる。自分はステージウインを狙う必要はないが、これでアウディ勢の全員がステージ勝利をマークしたことになるのでよかった」とペテランセルは安堵を見せた。
アウディ・スポーツのチームメイト、カルロス・サインツもこの日のステージで2番手タイムをマーク。3台目のRS Q e-tronを駆るマティアス・エクストロームは、ペテランセルに10分遅れての13番手タイムでこの日を終えた。
「最初のウェイポイントを見つけるのに苦戦したが、その後は超楽しいステージだった。最初の小さなミス以外は何もなく、ドライブも最高だった」とエクストローム。

総合首位を走るGRダカールハイラックスT1+のナッサー・アル‐アティヤは、ステージ8でタイヤ交換を行った後、すぐにシートベルトを締めなかったことに対して5分のペナルティを受けた。総合2番手のセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)に対しては30分以上のギャップを残しているが、残り2日間ではタイムロスを最低限に抑えておきたいところだ。
「今日はセブに対して1分しかロスしなかったし、明日のステージではいいポジションで走れる。今日はマシンに関しては、パンクもトラブルもなかった。マシュー(ボーメル、コ・ドライバー)のナビゲーションもよかった」とアル‐アティヤ。

DPPI / Red Bull Content Pool

アル‐アティヤを追うBRXのセバスチャン・ローブは、一週間以上もアタックモードでの攻めを続けてきたが、残るステージが2本となったところでアル‐アティヤとの差はまだ32分40秒残っており、追い付くのが厳しい状況となってきた。
「いい1日だった。ステージの前半はすごく速く、後半は面白い道でまさにドライビング勝負だったので、タイムに差をつけることができる。こうしたステージでは全開で走るしかない。ナッサーに追いつくために、最大限のことをしてきた。最初から言ってきたが、タイムを詰めるビッグチャンスは明日が最後。本当にすべてのセクションで最大限のプッシュをかけ続けており、精いっぱいの戦いをしている。金曜日、ジェッダでどのような結果になるのか、待つしかない」

BRX

後方でも順位争いが激しくなっており、この日はXレイドのヤコブ・ライゴンスキーが6番手タイムをマークし、トヨタ・ガズーレーシングのジニエル・ド・ヴィリエールから総合5番手の座を奪還している。
「今日のステージは本当に高速だった。路面が変化し、岩が多くなったり草も増えた。徐々に上位との差も詰まり、楽しく走れた。埃で少しタイムはロスしたが、最終的にはいいステージだった。明日はスタート順がいいので、うれしいよ」とライゴンスキー。

X-Raid

13日のステージ11は、ビバーク地であるビシャ周辺に345kmが設定。様々な形状や大きさの砂丘が続き、最後のアタックとして完璧な舞台となっている。

日本勢では、チームランドクルーザー・トヨタオートボデーが走らせる2台のトヨタ・ランドクルーザー200は、三浦昂が総合51番手、ロナルド・バソが総合53番手と、この日も市販車部門1-2タイムでフィニッシュ。累積順位は総合39番手、総合43番手をキープして部門1-2体制を堅守した。
ビシャのビバークについた三浦は「明るいうちにビバークに着くことができて、新鮮な気持ち。クルマもトラブルはなく、傾斜が急な登りでバンパーをヒットしたぐらい。昨日に比べればそれほど難しくなかったが、最終日まで油断せずに走る」と語っている。

日野チームスガワラの菅原照仁は、トラック部門16番手タイムでこのステージを走り終え、累積順位を15番手に上げた。前日の夜にビバークでターボチャージャーを交換して過給圧が上がらない不具合を解消し、この日のステージを順調に走行した菅原は「今日のコースはトリッキーだったりナビゲーションで差がつくことは少なく、車両の実力を図るのに適したステージだった。その意味で16番手という結果は現在のポテンシャルを端的に示していると思う。ブースト圧の件は解決したが、なんとなくエンジンが重い印象だった。ともあれ、あと3ステージ。引き続き集中して臨む」と語っている。

2022ダカール暫定結果(ステージ10終了時点)
1 N.アル‐アティヤ(トヨタ) 33:13:37
2 S.ローブ(プロドライブ・ハンター) +32:40
3 Y.アル‐ラジ(トヨタ) +55:48
4 O.テラノバ(プロドライブ・ハンター) +1:29:18
5 J.ライゴンスキー(MINI) +1:41:02
6 G.ド・ヴィリエール(トヨタ) +1:45:42
7 V.バジリエフ(MINI) +1:49:36
8 M.プロコップ(フォード) +2:13:21



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