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ダカール2022:トヨタのナッサー・アル‐アティヤが自身4度目、サウジアラビア開催初の勝利をマーク

©DPPI / Red Bull Content Pool

サウジアラビアで開催中のダカールラリー2022は1月14日、ビシャ〜ジェッダ間に大会最後のステージとなるステージ12、163kmを走行した後、ジェッダでフィニッシュを迎えた。4000kmを超える走行を経て、カー部門トップでチェッカーフラッグを受けたのは、トヨタ・ガズーレーシングのナッサー・アル‐アティヤ/マシュー・ボーメル組だった。GRダカールハイラックスT1+で初日からリードに立ち、最後までその座を譲らない完勝だった。アル‐アティヤにとって4度目、サウジアラビア開催では初めてのダカール制覇となった。

「大会が自分たちの地域で開催されるようになったので、この大会で勝つのは自分にとって非常に重要なことだった。サウジアラビアで開催されるようになってから最初の2回は2位だったが、ついに勝利を収めた」とアル‐アティヤは喜びを語った。

ASO / Frederic Le Floch / DPPI

そのアル‐アティヤを最後まで追いかけ続けたのは、BRXのセバスチャン・ローブ/ファビアン・ルルカン組(プロドライブ・ハンター)。WRC9連覇王者として知られるローブだが、ダカールでもこれで自身3度目のポディウムフィニッシュをマークしたことになる。アル‐アティヤのハイラックスと同じく、新たに創設されたT1+スペックのマシンであるプロドライブが製作したハンターも、一貫性と信頼性を披露した。

「2位はいい結果。ステージ3でトラブルに見舞われ、流れが悪くなりそうになった時もあったが、最終的に2位を守り切った。ナッサーに追い付こうとハードにプッシュを続けたが、彼は完璧なレースを見せたので不可能だった。マシンはとてもよかったし、ファビアンも素晴らしい仕事をしてくれた。すべてよかったが、ギャップが広がりすぎた。世界で最も過酷なイベントを2位でフィニッシュできたことは、素晴らしい成果だ」とローブは新マシンとチームの働きを称賛。チームメイトのオーランド・テラノバ/ダニ・オリベラス組も、16分差でポディウムは逃したが4位という好成績でのフィニッシュを果たした。

ASO / Florent Gooden / DPPI

3位にはオーバードライブ・トヨタからエントリーしたヤジード・アル‐ラジ/マイケル・オール組が入り、ポディウムにはトヨタ勢2クルーが上がった。

フル電動パワートレーンのアウディRS Q e-tronsで初めてダカール参戦に挑んだアウディ・スポーツは、3クルーで合計4本のステージウインを奪取し、3台すべてがフィニッシュラインを越えた。チーム最上位はマティアス・エクストローム/エミル・ベルクビスト組の総合9位。カルロス・サインツ/ルーカス・クルス組は12位、ステージ2で石にヒットしてダメージを負ったことで大きく後退したステファン・ペテランセル/エドアール・ブーランジェ組も、大会を通してチームメイトをアシストしながらステージ勝利もマークし、最終的に59位でフィニッシュした。

Audi AG

「砂漠でいろいろなコンセプトマシンを走ってきたが、RS Q e-tronはとにかく砂丘での走りが衝撃的だった。電動パワートレーンのトルクは、自分のドライビングスタイルに完璧にマッチした。序盤は本当に悪い展開になってしまったが、その後は流れがよくなった。休息日の後は、速さもいいパフォーマンスも見せられた。来年は、優勝争いをしに戻ってくる」と“ムッシュ・ダカール”ペテランセルは大会を締めくくった。

Audi AG

激戦となった総合5位争いは、トヨタ・ガズーレーシングのジニエル・ド・ヴィリエール/デニス・マーフィ組が制した。2輪駆動のMINI JCW バギーで挑んだXレイドのヤコブ・ライゴンスキー/ティモ・ゴットシャルク組は、一時は4位にまで浮上したが、最終的に6位でのフィニッシュとなった。
「走り切ることができてハッピー。いつも、これを一番の目標にしている。ダカールは簡単な大会ではないし、自分たちはハードに戦った。ダカールの中でもタフで、大会を通して非常にコンペティティブだった」とライゴンスキーはコメント。

X-RAID / Julien Delfosse / DPPI

ステージ11、チームランドクルーザー・トヨタオートボデーが走らせる2台のトヨタ・ランドクルーザー200は、ロナルド・バソが総合58番手、三浦昂が総合59番手と市販車部門1-2タイムでフィニッシュ。累積順位は三浦が総合40番手、バソが総合43番手で部門1-2体制を維持して最終日を迎える。
序盤で同時に2本のパンクに見舞われた三浦は、バソ組からのアシストを受けながら難局を克服した三浦は「一番しっかりやらなくてはいけないのに、一番上手くいかない1日だった。スペアタイヤをもらったり、スタック時にサポートしてもらったりと、バソとポラトのサポートに助けられた。明日はしっかりゴールを目指す」と最終ステージに向けて気を引き締めた。

日野チームスガワラの菅原照仁は、前日、ハイブリッドシステムを搭載したHINO600シリーズに発生した電気系トラブルを修復してこの日のステージに臨んだが、スタートから30㎞地点でオートマチックトランスミッションの不具合によりストップ。その後、低速で移動しながらループをショートカットして直接、ステージのゴールに向かい、ビーシャのビバークに帰着した。メカニックによりトランスミッション交換の作業を終えたが、ステージでは通過が義務づけられるポイントをすべてパスしているため、大量のペナルティを受けることになるが、チームは走行データを収集するため、最終日も競技の参加を続行する。
菅原は「ステージを10~20㎞走ったところで、シフトダウンをしようとすると2段いっぺんに落ちるようになり、その後トルクが伝わらなくなってストップ。どうしようもなくSSのショートカットを決めた。前日のトラブルで遅れた時間をなんとか挽回したいと思っていたが、今回は難しそう。しっかり走ってジェッダのゴールを目指す」と語っている。

2022ダカール最終結果
1 N.アル‐アティヤ(トヨタ) 38:33:03
2 S.ローブ(プロドライブ・ハンター) +27:46
3 Y.アル‐ラジ(トヨタ) +1:01:13
4 O.テラノバ(プロドライブ・ハンター) +1:27:23
5 G.ド・ヴィリエール(トヨタ) +1:41:48
6 J.ライゴンスキー(MINI) +1:53:06
7 M.セラドーリ(センチュリー) +2:32:05
8 S.ハルペルン(MINI) +2:38:26



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