今週開催される2022年WRC開幕戦ラリーモンテカルロにMスポーツ・フォードは、新規加入のクレイグ・ブリーン、ガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモーに加え、WRC9連覇王者のセバスチャン・ローブをフォード・プーマ・ラリー1のドライバーに起用する。
先週はサウジアラビアで開催されたダカールラリーに、プロドライブが運営するバーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)から参戦していたローブ。Mスポーツ・フォードからのWRC参戦契約は現状ではモンテカルロ一戦のみとなっているが、今季から導入されるハイブリッドの新規定ラリー1マシンの初実戦では、ローブの豊富な経験がチームに大きく貢献することは間違いないだろう。
ダカールではT1+仕様のハンターでカー部門総合2位でフィニッシュ。翌日にはMスポーツ・フォードのテストに向けて現地を後にしたというローブは、
「ダカールラリーで3週間を過ごしたので光景は一変したが、 モンテカルロラリーのスタートに立てることは非常にエキサイティング。特に、WRCが新たにハイブリッド時代を迎えるのだからね」と期待を隠さない。
「マルコム(ウィルソン、Mスポーツのマネージングディレクター)と一緒に仕事ができることも誇りに思う。自分のキャリアを通して、彼らとはいつもその話をしてきたが、これまで実現できなかった。だから、ついにこの素晴らしいイベントで実現できる。それを実らせてくれたMスポーツ、フォード・パフォーマンス、そしてレッドブルに感謝したい。このラリーに関しては、自分はほかのドライバーと比べて準備が少ないことは間違いないが、ハイブリッドのプーマ・ラリー1は、乗ってすぐにいいフィーリングが感じられたし、すべてがかみ合った。この週末は、新しいコ・ドライバーのイザベル(ガルミッシュ)、Mスポーツのみんなと楽しむことを楽しみにしている」
同じくMスポーツ・フォードから初めてのワークス参戦に臨むブリーンも「ラリーモンテカルロに参戦するのは非常に特別なことだが、Mスポーツ・フォードから参戦できるのは、夢が叶ったようなものだよ!」と喜びを見せる。
「チームは、ハイブリッドのプーマ・ラリー1の製作や開発に関して素晴らしい仕事をしてきたし、それが存分に表れている。自分がこれまでドライブしてきた中でもベストのラリーマシンだし、ハイブリッドユニットが組み合わされたことで、ラリーはまた新たな側面を持つことになる。ポール(ネイグル、コ・ドライバー)と自分はこの挑戦を楽しんでいるし、Mスポーツ・フォードとのこれからの1年を本当に楽しみにしている」
今回初めて、WRC最高峰カテゴリーでラリーモンテカルロに参戦するフランス出身のフルモーは「ラリーモンテカルロでは、ベストを尽くしてマシンを感じ、ほかとのパフォーマンスレベルとの違いを理解したいと思っている」と目標を語る。
「WRCのトップカテゴリーでモンテに参戦するのは初めて。これまではフィエスタ・ラリー2で参戦したことがあるが、初参戦で総合でもトップ10に食い込んだよ! ここの道は大好きだし、これまでもいいパフォーマンスを見せられているので、期待も高い。みんなにとって新しい時代を迎えることになるので、ラリーの最後までいいパフォーマンスを出すためには、マシンの信頼性とドライビングスキルを完璧にマッチさせなくてはならない。できる限りベストのリザルトを収めたいと思っている。どんなことも、可能だよ!」
今季もWRCフル参戦に臨むグリーンスミスは「WRCが史上最も大きな規定変更を迎える2022年、Mスポーツ・フォードから参戦することにワクワクしている」と語る。
「チームは新しいマシンの開発で素晴らしい仕事をしてくれたし、自分も本当にドライビングがしやすい。このマシンが、近年以上に格段にコンペティティブだという自信があるし、より上位に近いところで争っていきたい。昨年は自分の成長に満足できたし、2022年もその流れを続けていきたい。昨年は初めてのステージ勝利まであと1秒というところまで迫ったし、この新しいパッケージでならその目標は可能だと感じている。初めてのポディウムに向けてもプッシュしていきたい」
「モンテカルロはいつもトリッキーな開幕戦だが、もう何回も参戦しているし、新しいマシンのフィーリングがとてもいいのでこのチャレンジを本当に楽しみにしている。週末を通してスピードを高めていくことが欠かせない。特に、ヨナス(アンダーソン、コ・ドライバー)と参戦するラリーはこれが2回目だからね。ハイブリッドのプーマ・ラリー1を仕上げるために頑張ってくれたチームのみんなには、あらためて感謝したい。モンテでいいリザルトを収めることで、それに応えていきたい」